ロードバイクの次なる時代を切り開くマルチロード
 ロードサイクリングは進化した。現代のロードバイクに対する要求は非常に多様化し、ダートを含むアドベンチャーライドやリラックスしたツーリング、または自転車通勤でもハイパフォーマンスロードを使いたいという声があがるようになった。その要求に応えるために、VRの開発はスタートした。VRは、ハイスピードなトップレースや、ダウンヒルコースのようなオフロード以外であれば、これ1台ですべてのライディングに対応する。広いタイヤクリアランスを確保し、ブロックタイヤを装備することでオフロードにも対応。ペダリングの反応性に必要な横剛性はレーシングバイクと同等レベルまで高めており、23C、25Cタイヤを装着し、ハンドルを下げればレースへの出場もできる。もちろん剛性と柔軟性のバランスは失っていない。新形状のシートステーが垂直方向の柔軟性を飛躍的に高め、振動吸収性と路面追従性を獲得。そしてFeltロードらしい加速性と反応性がVRの特長だ。VRはロードサイクリングの限界を破り、ライダー自身の限界も破るサポートをする。冒険へのパスポートのはここにある。
Felt の経験が活きるマルチロードジオメトリー
 VRはベストセラーバイク Zからエンデュランスロードジオメトリーを継承。わずかに寝かせたヘッドアングル、ロングホイールベースにより、ロードレーサーに特有のふらつきやすさを解消し安定性を向上。 Feltが長年培ってきた設計により、ロードバイクらしいキビキビとした反応性に両立させている。ダートや通勤での使用も想定したVRは、スタックハイトが高く、より上体の起きたアップライトポジションに変更。操作性を高め視界を広く、バッグを背負ってのライディングにもフィットする。あらゆるライディングシーンでパフォーマンスを発揮する、新しいマルチロードジオメトリーだ。
ディスクブレーキ化により完成したシートステースプリング
 VRはディスクブレーキ化に伴い、まったく新しいシートステー形状を採用している。応力分析の結果、シートステーブリッジは剛性に全く貢献しておらず、振動の吸収を妨げていることが判明した。そこでエンジニアは、ブリッジを廃したシートステーのデザインをスタートさせた。さらなる解析の結果として、シートステーとシートチューブの厚い接合部は想定以上に快適性に影響を与えていることが判明。シートステーのシートチューブとの接触点を最小限のものとして、トップチューブと一体化したデザインを採用した。新形状により、フレーム全体の垂直方向の柔軟性は12%向上。リアステーはまるでスプリングのようにトップチューブを中心にしてリアエンドの動きを作り出す。ダートでも路面にしっかりグリップしパワーを逃さず、抜群の振動吸収性がライダーのパフォーマンスを高るだろう。
多様なライディングシーンに変幻自在に対応
 多くのライディングシーンを想定したVRは広いタイヤクリアランスを確保。チェーンステーのタイヤクリアランス幅は約42mm 。これはタイヤの両側に6mmずつのクリアランスを必要とする国際標準化機構(ISO)の基準に則ると、30mmのタイヤ幅まで、Feltが安全を確認した上で実際に装着可能なタイヤ幅の上限は35mmが目安となる。そんな広いタイヤクリアランス、かつ高い汎用性を持つVRだが、ロードレーシングタイヤを装着した際もタイヤの性能をスポイルしない「ロードバイク」としてのスピード性能も特長だ。23Cタイヤを装着すればレーシーに、35Cタイヤを装着すれば荒れた路面や街中の段差の振動を吸収し、どこまでも走り続けることができる。
天候も路面も選ばない新しいスタンダード
 ディスクブレーキはロードバイクの新しいスタンダードだ。より高いストッピングパワー、コントロール性能、そして安定したパフォーマンスを発揮する。フレームはフラットマウントを採用。ブレーキキャリパーは油圧式、もしくは対向ピストン方式の機械式で、ドロップハンドル用ブレーキレバーでも軽い引きを実現。チェーンステーのリアエンド付近は前後方向に扁平させ、ディスクブレーキのストッピングパワーを受け止める。同時に扁平部は最小限にすることで、垂直方向の柔軟性のバランスを取っている。
ディスクブレーキの性能を引き出し、悪路走破性にも貢献
 VRにはMTBで信頼性が証明されているスルーアクスルを採用した。サイズは前後共に軽量な12mm。従来のクイックリリースでは避けられないハブアクスルのズレを防ぎ、ディスクローターとブレーキパッドの接触や、変速の狂いも解消。スルーアクスルの構造的にフレーム全体の剛性は飛躍的に高まり、パワー伝達性能と、悪路での安定感が向上した。
ロードバイクのスピード性能を保証する軽量性
 タイヤクリアランスが広くなりオフロードにも対応するVRだが、ロードバイクに不可欠な軽量性は失っていない。走行性能と軽量性を両立させるために解析を重ねた新しいフレーム形状により、ヒルクライムにおいてもFeltロードらしい軽快な走行感覚を携えている。
さらにVRのライディングを快適にするインテグレーション
 多様なライディングシーンに対応するため、VRはアクセサリーをスマートに装着するための工夫が施されている。トップチューブにはストレージボックスを装着するためのアイレットを装備。ボトルケージと同じ規格のアイレットで、市販の多くのストレージを装着可能。全天候に対応するVRには、専用フェンダーを装着するためのアイレットも装備。加工をせずにシームレスにフェンダーが装着できるようになっている。アルミフレームの540mmサイズ以上には、ダウンチューブに2箇所のボトルケージアイレットを備え、合わせて3つのボトルもしくはツールボトルを携行可能だ。
カラー・バリエーション