トライアスロンに

特化した専用フレーム


IMPRESSION – IA FRD
エアロダイナミクスを追求したタイムトライアル用フレームは各社からリリースされているが、この IA FRD はトライアスロンに特化した形のエアロフレームだ。よってロードレース個人タイムトライアルには使うことができないが、トライアスロン用として徹底的に特化している。いわゆる設計に大きな制約がないので、フェルトの空力エンジニアが思う存分腕を振るったフレームということだ。

ダイナミックなフロント周りとシートポスト。もちろんフレームボリュームは頼もしさすら感じてしまう。リアセクションのトライアングルは鋭角ながらもしっかりとした太さのチューブを用いている。
市松模様のような大きな編み目に特徴があるテクストリームカーボンを用いている。この素材特性は非常に興味深く、簡単にいうとソフトなのに走りが軽いという 2 面性をもつ。さらにフレーム形状とミックスされてトライアスロン用として、ベストではないかという運動性能を実現している。ボリュームのあるチューブ構成によって、踏み出しの伸びはなかなかのもの。横剛性も保たれているが、縦剛性が上回っている印象だ。巡航スピードまでスムーズにスピードを上げることができ、イーブン走に入ると思いのほか高いスピードを維持できるのが楽しい。普段のロードバイクで見る数値よりも高い速度域で巡航できるのがこの手のバイクの魅力で、IA も同様に優越感に浸れる。高出力での走りは苦手としてないが、そこは TT バイクらしくバイクをねじるような走りには不向きだろう。とはいえコナのバイクトップレベルを鑑みると平均出力は 277w、最高は 600W と思ったよりも抑え気味であり、高出力の領域はターゲット外であることもわかる。
そして快適性。このボリュームにして乗り心地もよい。刀のようなシートポストには振動吸収の機構を内包しているがそれが機能しているのがわかる。鋭角なリアセクションはボリュームのある各チューブが必要な剛性レベルをキープしている。さらに空力特性に加えてバックからの衝撃も緩衝してくれるだろう。
ハンドルバー周りの機構は出先でも調整が容易な設計だ。繊細なハンドルバーポジションは簡単に修正できるのが望ましい。アームパッドの素材もゲル入りでフィット感がよく表皮も滑りにくい。収納スペースのカルパックを今回利用はしていないが、トップチューブ先端に配置した収納は補給食を取りやすい。なによりも一体化したことで空力に寄与しているのがメリットだ。
まさにファスト・ロングディスタンスのためにあるバイク。フェルトの実力を存分に味わうことができる設計だ。
ヘッド部のワイヤ類、ブレーキ機構をすべて内蔵したエアロカバーはダッガーフォークデザインと呼ぶ。
①走行スピードと横風の影響を考慮した設計の、大ボリュームな翼状断面チューブ。
②リアブレーキは BB 下に配置し、エアロカバーで覆われる。チェーンステーと一体化したデザインで美しくまとまる。
商品ページはこちら

IA TECHNOLOGY はこちら