細部にもこだわるリーズナブルな
トライアスロンバイク
IMPRESSION – IA14
上級グレードのフレーム設計のコンセプトを踏襲したミドルクラス。明日からレースに出られる充実のアッセンブルながらも40万円を切るリーズナブルなトライアスロンバイクだ。ホイールこそノーマルで、記録を狙うならディープリムやコンポジットホイールが必要になるだろうが、オリジナルアタッチメントハンドル、ブレーキキャリパーはエアロダイナミクスに特化したモデルが採用されている。 個人的にはブラケットの FELT オリジナルのフードが使い心地が良好であった。 アルミ製のアタッチメントハンドルはバーの突き出しとパッド角度が独立して調整できる。簡素な設計で使い勝手がよいところがトライアスロンビギナーにはちょうどいいし、上級者でも微調整が容易なので、満足できるはずだ。幅広いポジションの調整範囲もポジションが定まらないユーザーにとっては良い材料だし、アグレッシブなポジションも容易に実現できる。 |
ブレーキキャリパーは VISION 製のトライマックスエアロキャリパーを用いるなど、空力に対するこだわりが見える。そして左右2本締めの独自のシートポストクランプ機構も洗練され、ストレスなく使える。このブレード状の幅広形状ながらも乗り心地がいいのは上位モデルの性能をうまく引き継いでいる証拠だ。 ゼロからの加速性能はまずまずのレベル。ホイールをグレードアップする伸びしろが残されているので、将来的な楽しみが残る。剛性レベルは比較的高く、縦横の剛性のバランスが良い。高出力の加速にも対応できるポテンシャルを持っている印象で、中速域からのスピードのキレは十分に高い。 緩やかに加速していくと時速 35〜36km/h 時点で、フワッと後ろから押されるようにペダルが軽くなる瞬間があった。バイク形状とフォームがその環境において最適な要素を引き出したのだろうか。そういった体験ができるのも空力特性に優れたバイクだからこそである。 ミドルクラスといっても侮るなかれ、数々のスーパーバイクと並べても、引けを取らないパフォーマンスであった。予算が限定される条件のなかで上級モデルではなく、このバイクを選ぶならホイールへの増資が可能になる。全体的なパフォーマンスで言えば、上級モデルを上回ることができる可能性もなくはない。また、他の 2 競技にも投資する必要があるトライアスロンとしては、このパッケージはユーザーフレンドリーといえる。 |
BB 下にはダイレクトマウントブレーキを搭載。上級モデルの設計を踏襲したデザインだ。 |
オリジナルのアタッチメントバーとステム。ステムはブレーキケーブルが内蔵できる。 |
ビジョン製のエアロブレーキを搭載。フレーム形状はもちろん、空力に妥協のないパーツアッセンブル。 |
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