あらゆるシーンで活躍する

万能モデル


IMPRESSION – F5
F シリーズはオールラウンドなパフォーマンスを提供する万能レーサーだ。フェルトの良心というイメージでつねに乗っていて安心感のあるバイク。世代が変わっても、その時々のトレンドを抑えたフレームワークはつねにトップクラスの運動性能を示している。2016 年モデルには、大きな変更は加えられなかったが、その完成度の高さを示しているといえる。

この F5は上位グレードと同じフレーム構造で、カーボンのグレードを抑えたミドルクラスだ。コンポーネントにシマノ・105をアッセンブルしたことで、フレームのパフォーマンスが澱むことはない。角断面の大口径ながらもプレーンチューブを意識したと想像できるチューブ構造、そして真っすぐに伸びたストレートフォークが伸びやかな走りを連想させる。そして25万円を切る価格は、バリュープライスといえる。ボリュームのあるカーボンチューブと頼もしい四肢がキレのよい加速を生み出す、いわゆるカカリの良いフレームである。踏み込んだパワーを余すことなくスピードに変換し、巡航スピードもいつもより軽やかに維持できるような気がする。大幅にとは言えないが、わずかながらにパワーセーブできていて、もう一度アタックしようという気分させるような軽快さがある。
AR シリーズの登坂性能も優れているが、やはり F シリーズの次元はワンランク上だろう。微塵もロスがない走りはヒルクライムバイクとしての運用も可能にする。さらにスプリントのような走りにも対応してくれるので、これ一台でロードレース的な走りはすべて楽しめてしまうということだ。このフレームに求めるべきは空力特性のみだが、悪いレベルではないはずだ。しかしながら振動吸収性に関しては路面の荒いところではやや振動を感じる場面もあった。ホイールやタイヤなどシーンに応じたチョイスを行なうなどすれば、十分に対応できるレベルだろう。一般的な舗装路では200km 以上のロングライドも苦にしないし、優れた加速性能がそれを補いあまる性能と感じるはずだ。
まさに万能フレームだ。ロードバイクのベンチマークというモデルを捜しているなら F シリーズがその筆頭に挙げられるだろう。レース派にはもってこいだし、ロードバイクの軽快な走りを体験したいサイクリストにもうってつけだ。
サイズによって接合面積を調整し、剛性バランスを最適化している。
①トラディッショナルな 2 本式シートステーはパワーロスに繋がるねじれを防ぐ。
②フェルト純正のリプレイサブルハンガーは、剛性を重視し、確実な変速性能を提供する。
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