エアロに加えて、

想像以上に快適


IMPRESSION – AR5
2014 年にフルモデルチェンジを果たした AR シリーズ。この AR5 はシマノ・105 を搭載したバリュープライスを実現した主力モデルだ。完成車価格は 30 万円を切り、非常にリーズナブルだ。リアセクション、特にトライアスロン用フレームのIA とコンセプトを同じくした専用シートポストは、まさに空気力学から生み出されたもの、という造形だ。

フロントセクションは、F シリーズのような無駄を省いたカーボンフォーク、剛性を保つヘッドチューブ。そしてハンドル周り。かつてはトップチューブに物々しく複数のケーブルが配置されていた。すべてはエアロダイナミクスのための措置であったが、ダウンチューブからケーブルを通すスタイルとなったため、すっきりとしたコックピット周りとなった。電動コンポーネントとの相性もよいだろう。将来的なパーツのグレードアップも視野に入れることができる。ルックスも抜群、ハイトの高いカーボンディープリムとはよいコーディネイションだろう。
この豪快なフォルムは非常に高い剛性を想像させる。実際に踏み込んだときのレスポンスの良さは踏み出しのひと踏み目から体感できるものだ。このアッセンブルしているノーマルアルミホイールでも、気持ちのよい加速フィールが得られる。同時に感じられるのがコンフォート性能の高さである。これだけエアロに特化したフォルムながら路面からの振動吸収性がよい。大きく扁平したシートポストはダイレクトに振動を伝えそうだが、想像以上に乗り心地がよい。バックステーのブリッジを廃したことが、リアの縦方向への柔軟性につながっているのだろう。加速良し、乗り心地良しという2つの能力を融合した形となる。

無論、登坂性能も以前よりも優れており、F シリーズの性能領域に迫るものといえる。上りでは洗練された剛性感を感じることが出来る。横剛性がより充実しており、BB 周りの適度なしなりが心地よくスムーズにペダルが回る。スピードの緩急にも強く、優れた登坂性能を楽しめるだろう。
エアロロードだからといっても旋回性はまさしくロードバイクのそれで、軽いハンドリングでクリテリウムもこなせるような身のこなし。精密なコーナリングも得意とする。
空力に優れ、より万能な運動性能へ近づいた AR シリーズ。エアロロード黎明期から錬磨され続けたシリーズはいよいよ熟成期を迎えたといえる。
フロント周りの剛性と空力を両立するためにフェルトが導きだしたエアロテーパードヘッチューブ。
①BB の下にリアブレーキを配置することで空力特性が向上した。また堅牢な BB 部に取り付けることで制動力もアップ。
②VR シートポストはARのために新たに開発した内蔵式のインターナロックシートクランプは空気抵抗を生まず、フレームとポストにダメージを与えることなく確実に固定する。前後反転することもできる。
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