アルミフレームの利点を活かした

バリューモデル


IMPRESSION – F95
ライディングパフォーマンスは F75 とほとんど差を感じないくらい優れた運動性能を発揮してくれる。なにしろフレーム素材はまったく同じ7005アルミであるからだ。オリジナルホイールこそ価格に応じたセレクションをしているのだろうが、上位モデルに負けず劣らず質実剛健なたくましい走りを提供してくれる。
全体の剛性レベルは十分に引き出され、さらにコンパクトドライブの恩恵からスムーズな加速性能を楽しめる。巡航速度まで引き上げてから、踏むでもなく回すでもない快適なケイデンスであればスピードの乗りもよくラグジュアリーなクリージングを楽しめた。コックピットからは豪快なフェルトらしい角断面チューブが眼下に入る。これがたのもしい運動性能を引き出してくれて、ライダーは安心感に包まれながらライディングを楽しむことができるのだ。
ジオメトリーはレーシングフレームそのものなので、いざとなれば鋭い走りも得意だ。重いギアでトルクをかけつつの加速局面ではホイールの重さを感じるものの、この回転部分をチューンすることで、もっとのびのびとした走りを実現できるだろう。そしてハンドリングは軽めで自由自在。コーナーワークもよく、狙ったラインを的確にトレースできる。
エアロを意識したようなブレードのカーボンフォークからも弱さを感じない。デュアルピボットのブレーキキャリパーもブレーキ性能も馴染みが出てからはコントローラブルであった。構造上、高い制動力を発揮できるが、リムとの相性を考えてブレーキシュー交換などのカスタムチューンでより性能に磨きをかけることができるはずだ。メインコンポーネントはシマノ・ソラである。さすがに2ランクも上位機種であるシマノ・105と比較すると性能差を感じてしまう部分もあるが、このバイクの費用対効果を考えると十分な性能といえる。
手元変速器やデュアルピボットブレーキなどの確かな能力をこの価格帯で堪能できるのだから。アッセンブルの妙か、ホイールに使われているリムはむしろ F75よりも剛性感に優れており、走行感がより優れていたように感じ取れたことも加えておく。
フレームのグラフィックも3パターン用意されていて、これまでシックなカラーバリエーションだったフェルトにおいて革新的である。飽きのこないシンプルなデザイン、そして爽やかなグロスライトブルーのグラフィックは女性にも人気を呼びそうだ。
①2016 年モデルはカラーバリエーションが増えた。グロスライトブルーの鮮やかな色彩がラインナップに加わっている
②F75 と同じ 7005 アルミ合金をフレーム素材に採用。上位モデルと同様に軽い走りを楽しめるだろう。
コンポーネントはシマノ・ソラだ。レクリエーションやフィットネスライドにおいては不足なく使いやすいパーツである。
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FELT アルミ・テクノロジー