エアロロードのパイオニア
初代ARは航空力学を応用した初めての本格的エアロロードとして2008年のツール・ド・フランスで鮮烈にデビューした。エアロロードというカテゴリーのパイオニアがフェルトなのだ。2代目ARは2014年にデビュー。風洞施設での比較テストにより証明されたNo.1のエアロダイナミクスと重量剛性比はライバルに衝撃を与えた。そして3代目となったのが新型AR。蓄積した研究成果と最新技術を駆使することで+9%という驚異のエアロダイナミクスを実現した。加えてロードバイクとして不可欠な剛性、快適性、セッティングという性能は完成の域に到達。新しいARは、他の何をも犠牲にせず、+9%のエアロダイナミクスによる「フリースピード」をライダーに提供する。
エアロ性能+9%と
ロー・ヨーアングル・セオリー

フェルトはロードレースのリサーチにおいて、正面方向からの風に対しての抵抗を減らすことが結果的に勝利へ繋がることを導き出した。最新の計測機器を利用してゼロベースから検証を行い、新型ARは進行方向に対し0度から10度未満の空気抵抗に対して最適化を目指して設計が進められた。結果、ヨー角0度の状態では前モデル比9.6%の空気抵抗削減に成功している。
トランケーテッド・エアフォイル・シェイプ
メインチューブには従来の翼断面形状から後端部を切り取った「トランケーテッド・エアロフォイル形状」を採用した。UCIレギュレーションへの適応、ロー・ヨーアングルへの対応・フレームの剛性のすべてを満たす最適解をCFD解析によって追い求めた結果の形状だ。さらにダウンチューブは前方と後方で大胆に形を変えている。前方では左右方向に厚く、前後方向に狭い。後方ではその逆として、ライダーを含めた全体での空気抵抗の最適化を図っている。
フィッシュリップ・シェイプ・シートチューブ
シートチューブは革新的な新型ARの中にあって、一層のアイコニックなシルエットを持つ。リアホイールに合わせて大胆に切り取られたその断面は、リアタイヤを包み込むように左右に張り出したパテント取得済みの独自形状。リアセクションのエアーフローを大幅に改善し、30Cのワイドタイヤを飲み込む理想のシートチューブだ。
スクエアードBBシェイプ
空力性能を重視し、BB周りにはあえてボリュームを出さず、チェーンステイが水平方向に張り出した形状を採用した。ライダーの足・クランク・さらにタイヤと状況に応じて目まぐるしく動きを変える部分で抵抗の削減を追い求めることはもちろん、オールラウンドレーサー、FRシリーズと比較しても遜色のないペダリング剛性を実現している。
セミインテグレーテッド・コックピット
ケーブルのフル内装システムは最新のエアロロードに不可欠だ。しかし、ハンドルセッティングはライダーにとって最も重要だ。もちろん新型ARのフロントビューにもケーブルは存在しない(Di2モデルの場合)。その「セミインテグレーテッド」システムはステム下からケーブルを内蔵する。つまりすべての31.8mmハンドルが使用可能。角度調整に制限無し。最大40mmの専用スペーサーにより高さも自由だ。(※ワイヤー式変速機を利用の場合、ハンドル下からダウンチューブサイドへケーブルを取り回します)
フルカーボン製専用エアロステム
専用エアロステムは現代エアロロードの証と言える。新型ARのそれは、エアロ形状を高剛性で実現するフルカーボン製だ。交換用ステムは90-140mmを用意。さらに専用のヘッドトップカバーに交換することでケーブルを内装したままノーマルステムを使用できる。
イージーメンテナンス
ポジション設定の自由度は大切だが、そのためには調整の容易さも肝要だ。新型ARの専用ステムはケーブルを切断することなくステムを脱着することができる。つまり、一般的なバイクと同じようにものの数分でステム交換が可能だ。さらに輪行においてもステムを外すことでコンパクトなパッキングを実現する。
ペダリング剛性と
フロント剛性が大幅向上

新型ARを語る上で外せないのが、ナチュラルなライドフィールと高い反応性だ。開発においてはフェルトのオールラウンドレーサー、FRに肩を並べる性能を実現するため、FEA解析とテストライドを繰り返し、必要な部分の剛性向上とバランスのチューニングを進めた。新型ARにはエアロロードにありがちな縦に固くてピーキーな癖は皆無だ。ナチュラルで踏みやすく軽い反応性、左右にリズミカルに振れる動きは新型ARの真骨頂だ。
- BBペダリング剛性 +14%
- ヘッドチューブ横剛性 +11%
- フォーク横剛性 +21%
- フォークねじれ剛性 +15%"
リーフスプリングシートポスト
いかに空気抵抗の少ないバイクに乗ろうとも、ゴールスプリントまでに疲労がたまっていては勝利はおぼつかない。シートポストは一見すると前作ARと変わらないように見えるが、この新しいシステムではポスト下端が前後に分割されている。力が加わった時にリーフスプリングのように前後にしなることで、大きな衝撃を吸収する。シートレールクランプは反転することで0mmと20mmを選択できるため、サドルセッティングにも不安は無い。
ダンピング・シートポストスリーブ
フレームとシートポストの間にはスリーブを挟むことで、より確実でガタの無い固定を実現した。このスリーブはプラスチックとラバーを一体成型したハイブリッド素材で、微細な振動を吸収する。「リーフスプリングシートポスト」と、この「ダンピング・シートポスト」によって前作AR比で、トータル+112%、つまり2倍以上の柔軟性向上を達成した。
TeXtremeカーボン
ARのすべてのモデルには、航空宇宙産業や世界最高峰の自動車レースなど、最先端のフィールドでしか使われないテクストリームカーボンを使用。フェルトでは重量がかさむベース部分にUDカーボンに代わりテクストリームを使用。これによってカーボンシートの積層数を大幅に削減し、より軽く、高剛性で、スムーズなバイクが完成した。
スピードのためのディスクブレーキ
ARにディスクブレーキを求める声は大きかった。ディスクブレーキはあらゆるコンディションで変わらないブレーキ性能だけでなく、ケーブル内装やワイドリム&タイヤを含めたトータルパッケージでより速いバイクを実現する。コーナーリングにおいては、短い時間で減速を終えることが可能なため、大きなアドバンテージがある。より「速い」ARを完成させるための選択がディスクブレーキだ。
30Cタイアクリアランス
スピードを追求したエアロロードにワイドタイヤは不要だろうか?フェルトの答えはノーだ。新型ARは、ISO規格で求められるタイヤクリアランスに則ると、なんと最大30mm幅のタイヤに対応する。ホイールのワイド化の流れによって、タイヤもワイド化の流れが著しい。さらにレースによっては路面へのコンタクトを最大化するワイドタイヤがより良い選択となるだろう。新型ARであれば、機材と環境に合わせてその時の最速の選択をすることが可能だ。
シームレススルーアクスル
エアロロードの開発においては、極僅かな差異が大きな性能差となって現れる。新型ARのフロントフォークエンドとリアエンドには一切の段差が無い。さらにスルーアクスルはフレームと面一になる専用品を開発した。空力的にも視覚的にも一切の抵抗が無い、なめらかなフレームを是非ともその目で確認してほしい。
フレーム直付けの
チェーンキャッチャー

大事なカーボンフレームを忌まわしいチェーン落ちによって傷付けたことはないだろうか。新型ARのシートチューブには直付けの専用チェーンキャッチャーが装備されている。後付のチェーンキャッチャーと比べてはるかに信頼性の高いこのチェーンキャッチャーがあれば、フレームの傷付きを防ぐだけでなく、チェーン落ちによるタイムロスを回避して、目標とするレースでパフォーマンスを余すことなく発揮できるだろう。
ラリーサイクリング使用バイク
アメリカ、カナダのナショナルチャンピオンを複数擁する南北アメリカ大陸最強のUCIプロチーム(2019年までのプロコンチネンタルチーム)が使用。実車が無い昨年9月の時点ではFRを選ぶ選手が多かったが、チームに実車が届いて以降、ARを選希望する選手が圧倒的で、最終的には65%以上の選手がARを選択。既に2020年ワールドツアー初戦、ダウンアンダーで、ARを駆ったホスキングが勝利を上げている。
インプレッション
「弱虫ペダルサイクリングチーム」長塚寿生選手
乗り味の癖が一切なくて、ダンシングの感触も非常にニュートラル。縦に踏んでも横に踏んでもしっかりパワーがスピードに繋がるように仕上がっています。誰もが扱いやすいエアロのピュアレーシングバイクへと順当に進化してますね。 [全文はこちら-シクロワイアード]

「オッティモ」酒井幸男店長
一漕ぎ目からもう違って、思わず声が出てしまいました(笑)。エアロロードってどうしても独特な乗り味になるものが多いですが、そのイメージと違って全然クセがない。オールラウンドバイクのような扱いやすさですが、それにエアロが加わるのですごく武器になりますね。[全文はこちら-シクロワイアード]
「オッティモ」店舗情報
千葉県柏市根戸469-18 こまいぬビル1F
電話 04-7134-7612

ハシケンさん
テストライド中、スプリントを織り交ぜて走らせると、BBエリアだけでなく、その先のチェーンステーまでも一体構造に感じてしまうほどの高いトラクションを発揮。過去にさまざまなエアロロードをテストしてきたが、新型ARの懐のなかでコントロールできる感覚はとても魅力的だ。 [全文はこちら-バイシクルクラブ]
「シクロワイアード」磯部聡さん
走り出した瞬間から、恐ろしくスムーズだ。エアロロードにありがちな、縦の硬さに起因する振りづらさや過剛性感を感じることなく、スーっと滑らかに前に出る。それは単に乗り心地が良いということではなく、フレーム全体の優れたバランス感によって生み出されるものだ。 [全文はこちら-シクロワイアード]
「フォーチュンバイク」錦織大祐店長
〝鋭いエアロ感〟みたいな癖のあるエアロではないのですが、スルスルとバイクが進んでくれて明らかな空力の良さを体感できます。ピーキーな挙動もないので扱いやすく、普通のロードに乗るような感覚だけど確実に速いです。[全文は『サイクルスポーツ』2020年4月号をご覧ください]
「フォーチュンバイク」店舗情報
東京都江東区亀戸4丁目46-16ハイツA1階
電話03-5875-1021

「サイクルスポーツ」吉本司編集長
エアロロードはどうしても縦に固くて癖があるがそれが皆無で非常に扱いやすい優等生。バイクも軽快に振れるし、なにより気持ちよく踏めるフィーリングが素晴らしい。[全文はこちら-『サイクルスポーツ.jp』]

「なるしまフレンド神宮店」藤野智一店長
月並みな表現かもしれませんが「切り裂いていく」という言葉が適切ですね。高速でまっすぐ走っている途中で気づいたのですが、耳にヒューヒュー音が聞こえないのです。聞こえるのはタイヤが路面をつかむ音だけ。
[全文は『バイシクルクラブ』2020年4月号をご覧ください]
「なるしまフレンド神宮店」店舗情報
東京都渋谷区神宮前3-35-2
電話03-3405-9614

「アヴェントゥーラサイクリング」菅洋介さん
とくにズバッとコーナーを抜けてからの再加速は、このバイクの加速力の見せどころとなる。茂木や鈴鹿などのサーキットコースはもちろん、アップダウンを有する佐渡ロングライドやショート・ミドルのトライアスロンのコースにも適したスーパーバイクだ。
[全文は『バイシクルクラブ』2020年4月号をご覧ください]

「Triathlon GERONIMO」大塚修孝さん
すでに各社の「エアロロード」は、トライアスロンシーンにおいても多く使用されている。「エアロ形状をしているロード」ということでトライアスロンバイクに近いものを感じるのだが、少し違うのだ。(中略)ロングライドのトライアスロンにおいて重要となる「乗り心地」には驚くばかりだった。トライアスロンに使用するエアロロードとして、乗り心地やユーザビリティなど最適な一台と言えるだろう。[全文はこちら - Triathlon GERONIMO]
「サイクリスト」松尾修作さん
新型ARも例外ではなく、トレンドのほぼ全てが取り入れられている。狙ったエアロ効果も体感できるほど高い。「おぉ、本当に速い!」とライド中に声が出たほど。風が強く、四方から吹き付ける場面でも、横風の影響をあまり感じさせなかったのも印象的であった。[全文はこちら - サイクリスト]
ARレビュー サンケイデジタルサイクリスト松尾
「ワイズロード」永平宏行さん
アラフィフのおっさんがソロで174km、獲得標高1600mのライドでアベ28.7km/h。いつも100km、獲得標高1000mでアベ27km/h台が自分のデフォなのに、それより74kmも多く走って、600mも多く登ってこの結果。(中略)1km/h+αの速度アップ。プラス1km/hを一瞬上乗せするのは簡単だけれど、この距離を通してこの速度域で身体的努力だけで+1km/h上乗せし続けるのはほぼ不可能。それが出来るなら普段よほどサボっているか、既に+1km/h速いはずです。エアロの向上もコンマ何キロ速くするために涙ぐましい細かな努力をする世界にあって、プラス1km/h以上変わるのはとても大きな差です。[全文はこちら - ワイズロード]
ワイズロード長平さん
「影山輪業 横浜杉田店」 難波江啓店長
エアロ=車重が重いためスタートは重いものの25km/hくらいからはぐんぐんスピードが伸びていきます。凄まじいフレーム剛性の高さがあるため、踏んだ分だけ加速する。剛性感は今までのARとは比較できないほど高いです。(中略)良いのは分かったけど、店長は買うの!?もちろんYES!!富士チャレ200はコレで参戦かな・・・と目論んでいます。[全文はこちら -影山輪業横浜杉田店Facebookページ]
「影山輪業 横浜杉田店」店舗情報
神奈川県横浜市磯子区中原2-9-3
電話045-299-0449

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