4月12日、13日に行われた「SHIMANO ENS 2025#1 富士見高原」にてCrankbrothersのサポートライダーである朝倉佑太選手が優勝いたしました
(写真 松田敦司様)
以下、朝倉選手のレースレポートです。
リザルト
トータルタイム 1位
ステージ1 2位
ステージ2 1位
ステージ3 1位
4月12日、13日にかけて富士見高原スキー場で開催されたENS(Enduro National Series)の2025年開幕戦に出場してきました。昨シーズンは年間ランキング2位を獲得し、今年度からはトップクラスであるAAクラスで出走することになりました。そのためAAデビュー戦である今大会は自分にとっていつもより特別なものでした。
富士見高原のコースはENSの中でもトレイル感が強く、ペダリングセクションや自走距離が長いことが特徴です。私はトレイルをほとんど走ることがないため、ウェットコンディションの時は毎回思うようなライディングができていませんでした。今回もレースの日が雨予報だったため、不安を感じながらレースに挑みました。
1日目
4月12日の試走日は晴れで暖かく、コースコンディションもとても良かったです。コースは9割方去年と同じものに一部アップデートがされ、オフキャンバーやタイトなセクションなどが追加されていました。私のいつもの感覚では、富士見高原のコースはインを攻めてコースにあるロックは上をジャンプで超えるラインが速いですが、今回はレース日が雨なことを考慮し、なるべくゆるい角度で曲がれてロックを回避できるラインを探しました。
2日目
4月13日のレース日当日は雨でとても寒かったです。また風が非常に強く、体力の消耗も激しかったです。前日からコンディションが悪くなることがわかっていたため、予めマッドタイヤを装着して挑みました。この日は1時間の試走時間があり、ステージ1からステージ3の全ステージを1回ずつ走りました。まだ走っているライダーは少なくコースは比較的綺麗だったものの、この時点で相当滑りやすくなっていました。そのため、一部で前日からラインを変えて安全に走れるラインを探し直しました。全体を通してかなり難易度が上がっていましたが、マッドタイヤのおかげで自信を失わずに試走を終えられました。いつもならこの時点で気持ちが負けてしまうため、今回はメンタルの面でも調子が良かった印象です。
AAクラスは出走が最後で試走から出走まで約3時間ありました。出走の時には雨足がかなり強まっていました。すでにレースを終えたライダーの多くがステージ1の前半が滑ると言っていたため、ステージ1の前半は安全に、それ以外はいつも通りの調子で走ることにしました。
ステージ1は言われていた通り、試走の段階よりもかなり滑りました。コーナーの立ち上がりのロスを減らすためになるべく足を出さないことを心がけていましたが、足を出さずには走れないコンディションで危なっかしいランになってしまいました。また、ゲレンデ上の雪をトラバースするセクションで轍にはまって下に落とされるミスをしてしまいました。転ばずにゴールしたものの、体力の消耗が激しく思うように漕ぐことができず、手応えのないランになりました。しかし、今シーズンより導入されたライブリザルトを見るとタイム差があまりついておらず、気持ちを切り替えることができました。ステージ別では0.4秒差で2位という結果でした。
ステージ2もステージ1と同様にとても滑りやすかったです。このコースは前半部分にフラットなコーナーが連続しており、そこを丁寧にクリアすることを心がけました。試走の段階で探したタイトな部分やロックを回避できるラインをうまく使うことができ、落ち着いて走ることができました。ステージ別で1位の結果でゴールすることができました。
ステージ3はコンディションが悪化しても難しくなりそうな箇所がないと推測し、攻めて走ることを意識しました。ステージ2を走り終えた時点で1位だったのでいつもより諦めずに漕ぐことができました。最後までミスなく走り、1位でゴールしました。
結果は2位と1.7秒差で優勝しました。ENSに出て今年で5年目、初めて優勝することができてとても嬉しいです。
(写真 松田敦司様)
まとめ
今回のレースは全体を通して見ると機材に助けられた面が非常に大きかったです。例えばペダルに泥が詰まりやすい上に足をたくさん出したくなるコンディションにおいてCrankbrothersのマレットDHは頭で思っている通りにペダルをリリースしたりキャッチすることができてとても心強かったです。また、今まで雨でもいつもと同じタイヤで走っていましたが、今回はマッドタイヤを選択し、自信を持って走ることができました。
今回のレースの感覚を忘れずに次戦以降も臨んでいきます。サポート、応援をしてくださった皆様ありがとうございました。
使用機材 マレットDH(ペダル)
ENSについて
【ENSとは】
2014年よりスタートした国内で開催されるマウンテンバイクの競技「エンデューロ」のイベント「エンデューロ・ナショナル・シリーズ」の頭文字を取り「ENS」と称される。
ライダーの技量によってカテゴリーが分けられ、さらに、年齢別、女性、ファットバイ ク、ハードテイル、E-バイクでも各表彰される。年間獲得ポイントによってもシリーズランキングが決められる。
【競技方法】
MTB(マウンテンバイク)によるステージレース
下り基調の「ステージ」と呼ばれる複数のコースを個人タイム計測し、合計タイムにより順位を決定する。
(ENS公式サイトより引用)
Crankbrothersについて
1997年、南カリフォルニアで創業。独創性と機能美を追求した製品で、マウンテンバイク界に新風を吹き込みました。初のヒット商品「Speed Lever」で注目を集め、2001年発表の泥詰まりに強い「Eggbeater」ペダルでさらなる高評価を獲得。現在ではペダルをはじめ。ホイール、ドロッパーポスト、ツールなど幅広い製品を展開し、トップアスリートにも愛用されています。