インディアナ&ケンタッキー州選手権 Whiskey City Twilight Challenge 中村龍太郎

お久しぶりの更新となりました。あれよあれよという間に米のコロナの感染者数が世界一になり、多くの方から心配の声をいただいております。 トランプ大統領の非移民ビザ取得希望者の入国停止のニュースが流れたときは、強制帰国かとザワザワしましたが、 既にビザを持っている自分達家族は対象にならず、胸を撫でおろしたところです。 年末に帰る予定でしたが、収束する兆しもなく、帰っても二週間隔離となると帰る意味もないかなと、やんわりと絶望しています。

4/5月に感染者数の増加傾向がピークに達し、私が住むレキシントンでも経済活動の再開を発表。 店舗内の席数を減らすなどして対応してましたが、デモの影響やら、独立記念日のお祝いムードやらで第二波がやってきて、増加傾向は第一波よりも大きい状況です。 州知事はマスク着用義務化を発表しましたが、ほとんど抑止力にはなっていないように感じます。

そんな中ですが、細心の注意を払って開催された(ほんとか?)Whiskey City twilight Challengeに出場してきました。 昨年のレースではスプリントで4番手でしたが一人が集団をラップしていたため5位で終わり、ケンタッキー州で2位と悔しい思いを味わったレース。 まさかナイターレースが久々レースの一発目になるとは思っていなかったから、何日か前からナーバスになり落ち着かない日々を過ごしました。 レースのスタートが21時であり、子供が寝る時間をとっくに過ぎているので家族を帯同することができず、もし転んだりしたらThe End。 とか言っていたら、うちで採れた野菜を貰いに来てくれた、近くに住む同じチームの鈴木さんが「暇だから一緒に行ってくれる」とのこと!大葉に加えてキュウリもつけちゃいました。

 

18時に出発して20時に会場に到着。受付はソーシャルディスタンスを確保するために道路に印をつけて並ばせて、発する言葉を最小限にするために名前だけ伝えてゼッケンを貰う。 貰うときも長机を三枚並べた向こう側からポイっと投げられるスタイル。今のご時世なのでやむを得ないが素っ気なくて悲しい。

 

レースのスタートは21時。コースは四角形を反時計回りに回るが、線路を越えるためその部分だけ盛り上がっている。ちょうどスタート前に貨物列車が通過することもあってスタート時間が遅れた。 アメリカの列車はNYとかの都会だと走っているが、Kentuckyのような田舎は貨物列車しか走っていない。 しかもその列車も一度に運ぶ量が凄まじく多く、以前たまたま踏切で捕まった時に車両数を数えてみたところ(この踏切に捕まるというのもすごくレア案件)、50車両まで数えたところで目が疲れてやめた。 とにかく長いのでスタート時間も15分ほど遅れた。それに伴って周回数が60→50周に変更。昨年走った感じだと最終コーナーに三番手で突っ込んだ選手が捲れていたのでそこを目標にスタート。

 

みんなシーズン初戦だと思われるので、先頭で展開するのは必須。昔取った杵柄か、集団走行は体が覚えていたのと、終始アタックがかかりほとんど一列棒状のまま走り続けていたので、 序盤に落車にあうことはなかった。しかし、そんな平和に終わるはずもなく。

半分を過ぎてコースに飽きてきたころ、ジュニアの選手が自分を抜こうと左に来て、彼の前の選手の後輪右側に前輪を差し込んでしまう。 つまり自分の左斜め前の選手の後輪なのだが、彼は丁度先頭交代を終えて下がってきたところだった。当然自分と前の選手と挟まれるジュニア選手。自分に寄りかかってきたが右側によけるスペースはなく、 ただ無心でまっすぐ走るだけを貫くしかない。体がぶつかっても慌てないのはトラック競技をやっていた恩恵だと思う。完全に寄り掛かった状態でバランスを崩してジュニア選手が落車。 久々にカーボンが割れる不快な音が後方に聞こえ、乗り切った!と思ったが後輪が激しく振れてブレーキに擦ってることに気づく。ちょっとどころじゃなくてほっといたら完全に止まるレベル。

 

丁度ゴール前だったのでニュートラルを使って自分で後輪を入れ替え。なお今回は感染防止のためピットクルーは立ち入り禁止で、ホイールは選手本人が交換。主催側の関係者が一人入ってケツ持ちをしてくれる。 無事に一周のニュートラルで集団に復帰。しかし落車が起きたタイミングで12人が抜け出した状態になっていたらしい。これは復帰するときにちゃんと把握していなかったのがマジで反省。

無事に集団に復帰できた安堵か集中力を切らす。集団のペースが遅いと思っていたが、みんな疲れているんだと錯覚してしまった。実際は12人に追いつくことを諦めていただけだった。 そんなことは露知らず、そしてラップされたことも露知らず。人数をそろえているイリノイ州のチームの後ろの争奪戦。他選手はほとんど単騎参戦のようなものなので、ここは位置取りがバチバチ。

最終周回で目の端でLeomoの選手が落車しているのを見たが遠かったので影響は無し。踏切を渡った後前に出るのを躊躇ってしまい、先頭から5番手で最終コーナーに入る。最終発射台の選手をパスしたが前の三人には届かず。久々のレースというのもあってモガき方をすっかり忘れてしまった感じ。全体の4位でfinish。

昨年よりも一位高いので賞金にワクワクしていたところ、自分の順位が13位だと伝えられ、何かの間違いだ!と運営に異議申し立て。結果ラップされたことに気づいていない、ただの恥ずかしいやつでした…。

 

一応それでもケンタッキーで3位となり、表彰台に立たせてもらった。写真の時はまだラップされたことを理解しておらず、この顔。恥ずかしい限りである。 13位とはいえ$120を貰えたので嫁さんに叱られることはないが、あまりにも恥ずかしくて帰りの車ではずっと悶絶してた。 元々8月前にロードシーズンが終わるため、今回のレースが今シーズン最後のレースになった。後味は悪いが、ナイトレースでジュニア選手につけられた足の火傷だけで済んだのは幸運だったと思おう。

 

Whiskey City Twilight Challenge, July 18, 2020

Men Pro 1/2/3
1 David Tolley ELBOWZ Racing
2 Tyler Reynolds First Internet Bank Cycling
3 Caleb Langley Upland Cycling
4 Colin Fitzgerald Doylestown Bike Works
5 Andrew Dillman Think Green – Bicycle Face
6 Cooper Johnson VR
7 Henry Lutz Project Echelon Racing Team
8 Stefan Rothe ELBOWZ Racing
9 Houston Lundy N/A
10 Zach Stein ELBOWZ Racing
11 Hayden Warner Iowa City Cycling
12 Samuel Janisch Hincapie LEOMO p/b BMC
13 Nakamura Ryutaro Crankworks Bicycles

 

中村 龍太郎(なかむら りゅうたろう)

チーム:イナーメ信濃山形

2015年全日本選手権個人タイムトライアルチャンピオン。一般企業に勤めるフルタイムワーカーでありながら、Jプロツアーを走り1桁台の順位を量産。トラックレースにも参戦し、全日本オムニアムでは3位。毎週末のようにレースに参戦し、レース数はプロをも上回る。2019年から仕事の関係でアメリカ・ケンタッキー州在住。

主な成績

・2015年 全日本選手権 男子個人タイムトライアル優勝
・2015年 Mt.富士ヒルクライム優勝
・2016年 全日本選手権オムニアム3位
・2017年 JBCF Jプロツアー 前橋クリテリウム2位

使用機材

ロードバイク:Felt FR FRD

TTバイク:Felt DA1

トラックバイク:Felt Tk FRD

ヘルメット:BBB マエストロ

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