通勤や街乗り、ツーリングを楽しむサイクリストにとって、普段着の下に履く「パッド付きインナーパンツ」は欠かせません。
しかし、いざ探してみると納得のいく製品には滅多に出会えません。「1万円を超える高級品はさすがに手が出しにくい」と感じる一方で、安価なものはパッドの位置や縫製が悪くて痛みが出たり、生地のストレッチ性が低すぎてパッドが身体にフィットしなかったりと、妥協を強いられることが多々あります。
そんなインナーパンツ難民のサイクリストに、明確な最適解として提示したいのが「BBB コンフォートショーツ BUW-67」です。
税込5,500円(2026年6月現在)という極めて現実的なプライスでありながら、高級レーサーパンツに肉薄する機能性を備えた本製品。実際に薄手のチノパンの下に着用し、70km以上のライドをこなして見えた、そのリアルな実力を率直にレビューします。

中学生からのスポーツバイク歴は20年以上。父となった現在はヒルクライムレースメインで、グラベルキャンプツーリングや年間数戦のシクロクロスも。
・Mt.富士ヒルクライム ベスト66分
・ツールドおきなわ市民210km 完走
目次
ペダリングと歩行を両立する「段階的厚み」の専用パッド
一般的なインナーパンツのパッドは、歩行時のゴワつきを抑えるために小さく、薄く作られている傾向があります。しかし、それゆえ肝心のライディング時にお股を守りきれないことも珍しくありません。
その点、この「コンフォートショーツ」に採用されているパッドは、通常のレーサーパンツと同じような安心感のあるサイズ感で、広範囲をしっかりと保護してくれます。
特筆すべきは、インナーショーツ専用として緻密に計算された「段階的な厚み」の構造です。
後方(坐骨側): 体重が最もかかる側には十分な厚みを持たせ、路面からの突き上げやお尻の痛みを確実にシャットアウト。
前方: 意図的に薄手に設計。これにより、自転車を降りて街歩きをする際にも、お股のゴワつきが驚くほど気になりません。
実際にこのショーツを履いて70kmのライドをしましたが、パッドの位置ズレ、縫製による擦れ、フィット感の悪さは一切なし。ライディング中も降車後も、終始シームレスで快適な履き心地を維持できました。
レーサーパンツ譲りの極薄・高ストレッチ素材
本体には、同社の本格的なレーサーパンツと同等の高性能素材が使われていますが、インナー用途に特化して「極薄」にカスタマイズされています。
パンツの下に重ね履きすることを前提に、涼しさと乾きやすさ(吸汗速乾性)が徹底的に考慮されているため、夏場のライディングでも熱がこもる感覚はありません。
生地自体にはストレッチ性が備わっているため、ペダリングの動きに追従してパッドがお股にピタッと密着。隙間ができないため、サドルとの摩擦によるストレスも皆無です。
徹底的に無駄を省いた「ミニマル構造」の恩恵
驚いたのは、その潔いカッティングと構造です。
裾(すそ): 切りっぱなし(レーザーカット)仕様。締め付け用のゴムが省略されているため、太ももにかぶれや不快な圧迫感が出ません。
ウエスト: ゴムをあえて排除し、生地をワンホールド折り返して接着したような極めてシンプルな作り。
「ウエストゴムがなくてズレ落ちないのか?」と懸念していましたが、パンツ全体の高いストレッチ性と適度なコンプレッションにより、70km走っても位置はビシッと固定されたままでした。
【唯一の注意点】乾燥肌のサイクリストは内側の縫い目に注意
どんなに優れた製品にも、人によって相性があります。本製品を長時間にわたり着用した際、筆者は「腰の横の縫い目部分」にわずかなかゆみを感じることがありました。
製品を裏返して確認すると、この腰横の縫い目はフラットではなく、少し生地の合わせ目が立っている仕様(縫い代がある状態)になっています。
筆者自身が乾燥肌で、衣類の擦れに対して痒みが出やすい体質であることも影響していますが、同じように肌が乾燥しやすいサイクリストや敏感肌の人は、長時間の着用でこの縫い目が擦れて気になるかもしれません。
ただし、実用的な解決策はある
このかゆみは、製品の本質的な価値を損なうものではありません。なぜなら、「あらかじめ擦れやすい腰横にワセリン等のクリームを塗っておく」という簡単な事前対策で、かゆみや摩擦ストレスは大幅に軽減できるからです。
この一手間で解決できるレベルの注意点であれば、ライディング時および歩行時の圧倒的な快適性を前にして、大きなデメリットにはなり得ません。
サイズ選びについて
コンフォートショーツのサイズ展開は少し特殊で、2つのサイズが統合された「S/M」「L/XL」といった表記になっています。
筆者の体型(身長174cm、体重58kg、ウエスト78cmの細身体型)の場合、「S/Mサイズ」で完璧なジャストフィットでした。生地の伸びが非常に良いため、適応範囲が非常に広く、多くのサイクリストがサイズ選びで失敗しにくい仕様になっています。
結論:5,000円台で手に入る、これ以上ない「街乗り最適解」インナー
1万円を超えるプレミアムなインナーパンツを買えば、確かに良いものは手に入ります。しかし、毎日の通勤や街乗り、ツーリングでガシガシと使い倒す消耗品として考えたとき、1枚にそこまでのコストをかけ続けるのは現実的ではありません。
この価格で、レーサーパンツ並みのパッド保護力と歩行時の快適性を両立した「BBB コンフォートショーツ BUW-67」は、まさに現場主義のサイクリストが求める条件をすべて満たしています。
「パッド付きインナーはどれを履いても今ひとつ…」と妥協していた方にこそ、この快適さを体感してほしいと思います。







