滑りにくくて走りが軽いクロスバイク用タイヤ | SERFAS VIDA 比較レビュー

クロスバイクでとにかく滑らないタイヤがほしい!

という方にうってつけのタイヤをレビューです。

 

SERFAS VIDA

SERFAS(サーファス)はアメリカのブランドで、ゲル入りのコンフォートサドルから始まり、USB充電式ライトのUSLシリーズやスマホマウントのPH-1、ロードタイヤのセカなど、ライディングを快適にするパーツ&アクセサリーをラインナップしています。

VIDA(ヴィダ)は、シティライドやツーリング向きのタイヤで、溝付きのセミブロックトレッドが特徴です。

サイズラインナップは、
700×32C
700×38C

32Cをリム内幅19mmのホイールに履かせると実測は34mm前後でした。

serfas のロゴが刻印されています。凝ってる!

スタンダードモデルのVIDA HYBRIDとコストを抑えたVIDA MEOがありますが、その違いは下でご紹介します。

 

荒れた路面や段差でも滑らない安心感

クロスバイクを始めとするスポーツバイクは、滑って転びそうで怖いと感じる方も少なくありません。そんな方に溝付きのタイヤが人気です。実は舗装路に限ると溝の無いスリックタイヤの方が(設置面積が大きいため)グリップ力は強いのですが、砂が浮いた路面や段差では溝付きの方が安心感があるのは事実です。

転倒しやすい斜めに段差を乗り越えるシチュエーション

ヴィダはクロスバイク用としては深めの溝があるセミブロックトレッドパターンです。砂が浮いた荒れた路面や段差を斜めに乗り越えるようなシチュエーションで非常に安心感がありました。

グラベルもある程度いけます

 

スリックタイヤ並みの軽い走り

おっ!と思ったのが、深い溝付きのセミブロックトレッドなのにスピードが出ること。スリックタイヤ並みに軽く感じました。

不思議に思いタイヤトレッドをよく見ると、工夫が見て取れました。タイヤサイドは深い溝なのですが、センターは溝が浅くなるようなパターンなのです。深い溝は走行中に変形することで走行抵抗となってしまいます。センターのみ溝を浅くすることで、グリップ力を確保しつつ、軽い走りを実現しています。

 

VIDA HYBRID と VIDA MEO の違い

VIDAには、スタンダードモデルのVIDA HYBRIDとコストを抑えたVIDA MEOがあります。違いを見ていきましょう。

TPI

VIDA HYBRID: 60TPI
VIDA MEO: 30TPI

TPIというのはケーシングと呼ばれるタイヤのベースに使われる繊維の太さを表す数値です。数値が大きい方が細い繊維を使用していることになります。

細い方がコストがかかりますが、薄くしなやかで軽量なタイヤになります。じゃあ太いとダメなのかというと必ずしもそういうわけではなく、それだけ厚みがあって丈夫なしっかりとしたタイヤになります。

 

耐パンクレイヤー

VIDA HYBRID: FPS
VIDA MEO: 無し

VIDA HYBRIDにはSERFAS独自のFPS(フラットプロテクションシステム)という耐パンクレイヤーが採用されています。防弾チョッキに使われているバリスティックナイロンという強靭なナイロン素材をタイヤ内部に挟み込むことで突き刺しパンクやカットパンクに強くなっています。

VIDA MEOには耐パンクレイヤーはありませんが、上記のTPIが30という厚みがあるケーシングで、コストを抑えつつ耐パンク性を確保しています。

 

コンパウンド

VIDA HYBRID: デュアルデンシティ(センターは68aデュロメーター、サイドは58aデュロメーター)
VIDA MEO: シングル(62aデュロメーター)

コンパウンドというのはタイヤ表面のゴム素材のことを指します。デュロメーターというのはゴムの硬さで、数値が大きい方が硬くなります。硬い方が変形が少ないので走行抵抗は少なく、摩耗もしにくいので寿命が長いです。一方で柔らかいとグリップ力が良くなります。

HYBRIDの「デュアルデンシティ」という技術はセンターとサイドでコンパウンドを使い分けるというレーシングタイヤのようなことをしています。センターは68aデュロメーターで転がり抵抗を低減し耐久性を向上させ、サイドは58aデュロメーターでコーナーリング性能を強化しているんです。

MEOは1種類のコンパウンドですが、間をとった62aデュロメーターでバランスを取っているということですね。

 

ビジュアル

HYBRIDは片側に「SERFAS」の白ロゴ、もう片側に「VIDA」のロゴ
「VIDA」の隣にはデュアルデンシティやFPSのロゴが赤基調で入っています
MEOは大きなSERFASの白ロゴは無し。片側に小さなブランドマークと「VIDA」のロゴのみでシンプル
MEOのロゴが入っていてこちらは反対に青系です

 

実測重量

VIDA HYBRID: 477g(2本の平均重量)
VIDA MEO: 480g

重量は無視しても良いくらいの差ですね。

 

VIDA HYBRID がおすすめの人

両社の価格差は330円(2025年4月24日現在)しかありません。どちらを選んでも満足度は高いのですが、コストというより好みで選ぶのが良いでしょう。

HYBRIDはとにかくパンクしたくない、寿命の長い耐久性の高いタイヤがいいという方におすすめです。

コンパウンドはセンターが硬くなっていますが、走行抵抗の違いはあまり体感できず。摩耗は少ないはずなので長期で使用すると差が出てきそうです。

TPIは低いのでしなやかになりそうですが、実際に試すとFPSが入っている分だけタイヤ全体が硬く、振動吸収性は一般的なクロスバイクタイヤ並みです。

 

VIDA MEO がおすすめの人

MEOは耐久性より振動吸収性を優先したいという方におすすめです。

FPSが入っていなくてシンプルで柔らかいため、クロスバイク用としてはかなり乗り心地が良いです。コンパウンドはシングルですが、走行抵抗は軽いし、グリップも十分に感じました。長期で使用したり、雨天でのコーナーリングでは、HYBRIDのアドバンテージが出てくるかもしれません。個人的にはMEOが好み。

 

まとめ

荒れた路面や段差で滑りたくないけどスピードも大事というわがままに応える夢のような(?)タイヤです。耐久性重視の方はHYBRID、振動吸収性重視の方はMEOを選んでください。

 

書いた人→コエサシ