サスペンションフォークの生産数、世界No1のSR SUNTOUR社より、シクロクロスやグラベルロード用に作られた「GVX」サスペンションフォーク(https://www.riteway-jp.com/pa/shop/10483/)がラインナップされています。今回はコチラのフォークの日常的なメンテナンス方法について見て行きたいと思います。
・まず、フォークの外側に付いた汚れを落とす(メンテナンスの基本ですね・・・)
・フォークの上下を切り離す(今回ご紹介したいのはココからです・・・)
まず、これまでにラインナップされていたフォークとの違いとして、フォークエンドがこれまでのフォークはダンパーシャフトから進行方向へオフセットしていたのに対し、GVXのフォークエンドはダンパーシャフトの真下に位置しています。
コチラがGVXです!
これにより、GVXを分解する際にはボトムボルトを緩める際の工具と方法もも変わってきます。
まずは、フォークの背面の下部に緩めたボトムボルトを取り出すためのサービスホールが有りますので、こちらのキャップを細めのマイナスドライバーなどで外していきます。
工具を差し込むための溝も開いています…(このキャップ、軽く持ち上げると外れますが、一応、傷止めもわすれずに・・・)
次にスルーアクスルを抜いた後にフォークのボトム部分から5ミリのアーレンキーを差し込むことでボトムボルトにアクセスしていきます。
ちなみにヘックス部の長さは50ミリくらいのものが作業がしやすいです。
ボルトを左回り(反時計回り)方向へ回し、2~3ミリほど浮くくらいまで緩めたら、ボルトの圧入を外すべく、プラスティックハンマーで工具の頭を軽く叩きます。(金属製のハンマーを使うと工具を傷めます)
ボトムボルトと、ボトムケース(ロアーレッグ)の圧入が緩んだら、ボルトを完全に緩め、サービスホールよりボトムボルトを取り出します。
コチラは左右のボルトを外した図・・・
パッと見で、左右のボルトの色が違いますが、進行方向に向かって右側のボルトはオイルカートリッジのボトム部にアーレンキーを挿してダンピング調整を行えるよう、ボルトの真ん中に穴が開いています。ちなみにダンピングの調整は3㎜のアーレンキーを差し込み、右周り(時計回り)に回すとダンピングが効くようになります。(左側はよく見るキャップスクリューになります。)
ボルトが外れたら、フォークの下側(ボトムケース)を下方へ引っ張り、フォークを上下に引っ張って、切り離します。
今回取り上げたGVXのオイル室は密閉型のカートリッジとなっているので肩の部分にロックアウト用のレバーが付いている側から大量のフォークオイルが確認された場合はオイルカートリッジからのオイル漏れを疑いましょう。(潤滑用のオイルやグリスが熱により、液状に溶けている場合もあるので、一旦キレイなウエス等で油分を拭いたうえで、再度確認するのがベターです。)特に問題が無ければ、汚れを拭き取ったうえで、次の工程へ・・・
・ダストシール部の洗浄とグリスアップ
ボトムケースが外れたら、ダストシール部をきれいにしたうえでグリスを塗布していきます。(こちらが汚れたまま、使い続けることで、フォーク自体の動きが悪くなるだけではなく、たまった汚れにより、フォークの摺動部を傷めてしまうことにもつながります)
グリスはメーカー純正の物もしくはゴムや樹脂を侵食しないものをお薦めします。SR SUNTOUR社からも、もちろん御用意があります。
(https://www.riteway-jp.com/pa/shop/8693/)
各部のクリーニングとグリスアップが終わりましたら、分解の逆の手順でフォークを組み立てていきます。
*組立てに入る前の準備として、ダンパーカートリッジから出ているダンパーシャフトは最大限伸ばし、エアー室のエアー圧も3気圧くらいは入れておくとボトムボルトを締める際に作業がしやすいです。
フォークが組みあがりましたら、ロックアウトレバーを右回り(時計回り方向)に回した際にロックアウトが効くか確認をして作業終了です。
ロックアウトが効かない場合にはロックアウトレバーを親指等で真上に持ち上げ、フォークの肩から外します。(レバーが固くて外れない場合は親指等でロックアウトレバーを持ち上げ、レバーとフォークの肩に隙間を作り、マイナスドライバー等を差し込んでレバーを外します。
レバーを外すと、中に樹脂の歯車のようなパーツが出てきますので、そちらを右回し(時計回り方向)へ固くなるまでまわし、その状態でロックアウトが効けば、ロックアウトレバーをそのまま、進行方向と逆側に向くように上から「パチッ」とはめてあげれば、今度こそ作業終了です。(レバーを前進方向(反時計回)へ回した際に、ロックアウトが解除出来るかは確認してください)
以上、GVXに限らず、比較的簡単に分解が出来るSR SUNTOURブランドのサスペンションフォーク。ちょっとしたメンテナンスで格段に動きが良くなります。
「そういえば、最近フォークのメンテナンスをしていないもしくは、したことが無い・・・」という方は是非ともメンテナンスを!