坂バカスタッフRYOです。
GTのグレードと言えば2014年に登場したグラベルロードの先駆的存在。そのグレードは2020モデルで「フローティングステー・トリプルトライアングル」というフレームデザインをともなってモデルチェンジしました。今回は最新の2021年モデル「グレードアロイエリート」を旧モデルとの比較も含めてインプレします。
試乗バイク:GT Grade Alloy Elite 2021 51サイズ
奥多摩へ短いグラベル込みの130㎞。その他、通勤や河川敷グラベルで40km。合計170㎞走りました。
ゆっくり走っても楽しい
これは旧モデルから相変わらずで、低速での安定性が抜群です。歩行者に合わせて4km/hで走ってもふらつきません。また、適度にアップライトな姿勢も相まって、レースロードのような「もっと踏めよ!」というフィーリングは皆無。ゆっくり走っても楽しく、気ままに走らせてくれるところが一番の魅力です。
意外に軽快なハンドリング
こういった安定性を重視したグラベルロードはもっさりとしたハンドリングになりがちですが、意外に軽いハンドリングでキビキビと動いてくれます。グラベルでラインを変える時もスパッと動いてくれます。また、ダンシングもバイクを振りやすく、登りもあまり苦痛ではありません。ここは、旧モデルからより進化した部分です。
フォーククラウン部がかなり厚く、ブレードも太くなったので、ここの高剛性化も効いているのでしょう。
スルーアクスルと剛性の高さでよく進む
前述のヘッド周辺に加えて、BB周辺も剛性が上がったことを感じます。また、旧モデルは前後クイックリリースアクスルだったのに対して、12mmスルーアクスルになりました。これによりしっかりとペダリングのパワーが伝わり、よく進みます。さらにディスクローターとパッドの接触も起こりにくいです。やはりスルーアクスル化の効果は大きいです。
豊富なダボ穴による拡張性とワイドタイヤ
早い時期からグラベルロードをリリースしていたGTですが、ワイドタイヤやフレーム各部のダボ穴といった最新のトレンドと比較すると造りが古い部分があったことは否めません。まず専用のバッグを取り付けるためのダボ穴や、使い手の工夫を許容するダボ穴がフレームのあらゆる場所に配されています。オールドスタイルなキャリアを使ったツーリングもいいですが、フレームに直接バッグを取り付けるバイクパッキングは、バイクの動きも軽快で、特にグラベル区間を楽しむことができます。
タイヤクリアランスは最大タイヤ幅が35mmから42mmになり、標準タイヤも32cから37cになりました。太くなりましたが、旧モデルと比べて走りが重くなったようにはあまり感じませんでした。ちなみにフローティングステーについてですが、今回インプレしたアルミモデルに関しては旧モデルと比べてあまり変化を感じませんでした。それよりもスルーアクスル化によるリジッド感とワイドタイヤによる振動吸収性の印象の方が強いです。
詳しい部分を画像で紹介
フローティングステー・トリプルトライアングル。シートステーとシートチューブがフローティングしていることが分かると思います。
フローティングステーならではのGTロゴの入り方。
シートステーは全体が大きく弓なりにベンドされています。
溶接が滑らかに処理されています。とりあえずカッコいいです。
チェーンステーは下側にオフセットされて、チェーンとの接触を軽減します。
トップチューブは旧モデルよりスローピングがついて、足つきが良くなっています。チューブ形状は横から見た時に薄い扁平形状になっていますね。
ヘッドチューブは樽型で、ワイドクリアランスのフォークと合わせてごつくてワイルドな雰囲気です。
前12×100スルーアクスル、後12×142スルーアクスル。
ディスクブレーキはフラットマウント台座になりました。ブレーキキャリパーはテクトロのMD-C510というものであまりグレードが高いパーツではないのですが、意外に(と言ったら悪いですが…)機械式ディスクとしては良く効く部類で、シングルピストン式の割に引きも重くありませんでした。
トップチューブにはバッグ直付け用のダボ穴。一般的なボトルケージダボと共通のダボ穴寸法です。
ダウンチューブ上側には3つのダボ穴があり、ボトルケージの位置を選べます。シートチューブにもボトルケージを装備する場合は上側にセット。
下側にセットすれば、フレーム三角内にフレームバッグを装着する余裕が出来ます。
ダウンチューブ下にもボトルケージを装着可能です。ケーブルを抑える役割をする金具がボトルケージ用の距離で配置されていますので、ボルトを長いものに交換して取り付けます。
ダボ穴は、フォーク外側の中央に1個、エンド部分に1個、内側に1個。左右で合計6個のダボ穴があります。キャリアやフェンダーを取り付けるために役立ちます。
クラウン部分の後ろ側にもフェンダー用のダボ穴が開いています。
リアエンドのダボ穴は厚みがあって、かなり安心感があります。
左右シートステーにもまさかのボトルケージ用ダボ。
シートステーのブリッジにフェンダー用ダボ。
BB後ろにはブリッジが無い代わりに、フェンダー用のダボ穴が溶接されています。ブリッジよりも泥詰まりしにくくて良いですね。
シートチューブにはドロッパーポストのケーブルを固定するガイドが付いています。
すべてのケーブルはアウターのままダウンチューブ下にオリジナルのX型金具で固定されます。最近は内装が多いですが、メンテナンスが簡単ですし、潔い感じがGTらしくて好きです。
BBは信頼性の高い68mmスレッド。きれいに各チューブと溶接されています。シートチューブはよく見ると前後方向に潰されています。横方向に剛性を高めて、垂直方向の柔軟性を向上させる意図でしょうか。
タイヤは37Cのセミブロックタイヤ。グラベルに最高のタイヤです。意外や舗装でも軽い走りで気に入りました。
48-32Tのスーパーコンパクトクランク。変速は全く問題ありませんでしたし、エントリーグレードのスクエアテーパー式としては良いクランクだと思います。ただし剛性が低いので、最初にグレードアップするとしたらここをシマノ・ホローテック等の2ピース式にすると良いでしょう。
メインコンポはシマノ・クラリス。シマノのエントリーモデルですが、全く不満はなく、安定感ありますね。
サドルは高級なものではありませんが、ベースがしなって柔らかく快適でした。
ハンドルは、グラベルロードでは定番のフレアハンドルです。
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