キャメルバックとキャメルバッグ、どっちが正しい?

キャメルバックとキャメルバッグ、どっちが正しい?

自転車に乗る人なら一度は耳にしたことがある「キャメルバック」と「キャメルバッグ」。

似ているようで実は意味が違うこの2つの言葉、正しく理解できていますか? この記事では、自転車用のハイドレーションシステムを軸に、その違いをわかりやすく整理します。

 

CAMELBAK(キャメルバック)とは?

CAMELBAK(キャメルバック)はアメリカ発のブランド名です。

創業は1989年、テキサス州での自転車レースで「走りながら水を飲みたい」というアイデアから誕生しました。 背中に水の入ったリザーバー(タンク)を背負い、チューブを通してハンズフリーで給水できるシステムは、ロードレースやMTB、トライアスロンなどで瞬く間に広がりました。

いまでは自転車だけでなく、ランニング、登山、オートバイのラリー競技、軍用装備まで幅広く採用され、ハイドレーションシステムの代名詞的ブランドとして定着しています。

 

 

「キャメルバッグ」は和製英語

一方で「キャメルバッグ」という言葉は、日本で生まれた呼び方です。

CAMELBAK の製品がハイドレーションバッグが国内で認知度を得るために先に輸入されて広まったことで、ハイドレーションシステムの国内での認知度が大きく変わりました。

「背中に背負う水のバッグ」という機能と結びついた結果、いつしか「キャメルバック」が「キャメルバッグ」に。

キャメルバッグ(ラクダの鞄、ラクダの背中)と言われても、なんとなく比喩的に意味が通じるのが面白いところ。

 

「キャメルバッグ」という単語は、ハイドレーションパック全般を指す俗称として使われるようになりました。

これは「セロテープ」や「ホッチキス」、「バンドエイド」と同じく、ブランド名が製品ジャンルの呼び名として定着してしまった典型的なパターンです。

特にモータースポーツやサバイバルゲームから、ハイドレーションシステムのことを知られた方は、「キャメルバッグ」と呼ぶことが多い印象です。

これは自転車業界と違い、CAMELBAKの人気商品であるポディウムボトル等でブランド名を他にを目にする機会も少ないため、そちらの呼び名が浸透しやすかったのではと推測されます。

 

ただし英語圏では注意が必要です。 CAMELBAK はあくまでブランド名として通じますが、CamelBag という表現は使われません。

「ラクダのバッグ」と誤解されるのがオチで、水分補給用バッグを指すときは hydration packhydration bladder と言うのが一般的です。

 

つまり「キャメルバッグ」はほぼ和製英語と考えてよいでしょう。

 

表にまとめると、このような形になります。

用語 説明 備考
CAMELBAK(キャメルバック) アメリカ発のブランド名。給水システムの代名詞 ブランド製品のみを指す
キャメルバッグ 日本で広まった俗称。ハイドレーションパック全般を指す 和製英語。海外では通じない
CamelBag 英語圏では基本的に使われない 「ラクダのバッグ」と解釈されやすい
Hydration pack 英語圏での一般的呼称。バッグ全体を指す 海外で通じる表現
Hydration bladder バッグ内部の水タンクを指す リザーバー単体や交換用

 

自転車シーンでのCAMELBAK活用

ロードレースや長距離ライドでは、停車せずに給水できるCAMELBAKは大きなアドバンテージになります。

特に夏場耐久系イベントでは、ボトルケージだけでは不足しがちな水分を補えるため、熱中症対策にも有効です。 前日にリザーバーを凍らせておけば2~3時間は背中を冷やしてくれるので、快適にライドに出かけることが可能です。

溶けた水は飲むもよし、体に掛けるもよし。コンビニで氷を補充すれば、また快適なライドを続けることができます。

MTBやグラベルライドでは、ボトルが泥や砂で汚れる心配がある一方、CAMELBAKなら常に清潔な状態で飲めるのも利点。 さらにリザーバーには工具や補給食を一緒に収納できるモデルもあり、荷重を分散させつつ快適に走れるのも魅力です。

 

まとめ

  • 「CAMELBAK(キャメルバック)」はブランド名
  • 「キャメルバッグ」は日本で広まった俗称(和製英語)
  • 英語圏では「CamelBag」とは言わず、正しくは hydration pack / hydration bladder

次に海外のイベントやショップで CAMELBAK を探すときは、「hydration pack」という言葉をぜひ思い出してください。