Brand Talk | FLR 公式サイト

ブランドトーク

  新進気鋭のシューズブランド、FLR Shoes ブランド開発担当Liron Yosef(リロン・ヨセフ)氏へのインタビュー。

・ブランドのそもそもの設立はいつですか?
FLRブランドは2009年に設立しました。シューズ自体は1990年から作っていましたが。


・なぜブランドを立ち上げるに至ったのですか?
私たちはFLRブランドを2008年リーマンショックによる世界恐慌の翌年に立ち上げました。当時の世界情勢のなか、ワールドツアーのプロトンの中では$450以下のシューズは見当たらない、見渡す限り高額な用品であふれているサイクリングの世界は多くのユーザーにとってついていくのが難しいだろうと感じました。
シューズの価格を中間コストやマーケティング費用もですが、もっと抑えた上で、ワールドツアークラスでの使用に耐えうるシューズを作れるという自信もありブランドの設立に至っています。
また、サイクリングの世界にイタリアンブランド以外でもこんなに素晴らしいシューズが作れるんだということを知らしめたかったという思いもあります。


・FLRシューズが他と比べて特に優れている点を教えてください。
4つあるのですが、まず私や皆さんのような一般のライダーにとって最高のフィット感に仕上がっていると思います。ホールド感がしっかりしているにも関わらず幅広に履けて、アジア系の方々の足にもしっかりフィットします。
またブランド設立の経緯からもわかる通り、これほどのクオリティのものに対して破格のプライスを実現しています。
私たちはイスラエルを拠点としたシューズR&D、生産を一貫した会社なので製品の設計・製造・改良サイクルをノンストップで回すことが可能です。先日リリースしたばかりのニットシューズコレクションのように細かな変更を加えて最終製品版を世に送り出すことが出来ます。
最後に忘れてはならないのが、私たちのシューズはプロライダーがテストしたうえで皆様に届けられているという点です。FLRのシューズがトップクラスの性能を保てるよう、ブエルタステージを複数回勝利したベン・キングや現アメリカチャンピオンのアレックス・ハウズといったワールドクラスで活躍するライダーのレース現場での性能テストを受けています。今回新発売したニットシューズも、チームCCCのライダーが実際のレースで使用した上で製品化されました。


・FLRシューズはUCIプロライダーとの緊密な協力のうえで作られているということですが、より詳しいエピソードをお聞かせください。
最高のシューズを試して作り上げるためには、最高クラスのライダーが毎日履けるものでなくてはならないことはわかっていました。平均的なテストライダーでは、ワールドツアーライダーのようにシューズの耐用限界までストレスをかけることはできません。
最初期はプロトタイプのシューズを作って自分たちや周りのローカルチームでテストしていました。その時点でも私たちにとっては十分良いと思える物でした。しかしプロライダーとパートナーシップを結んで彼らの高出力を支えるにあたっては、多くの改良が必要だとわかりました。例えばアウトソールのカーボンレイアップをより強くしたり、シューズのアーチサポートをより最適化するためにベンチレーションを見直したり、タンの形状をモディファイするなどの改良を加えました。
プロライダーが彼らの能力全てを発揮して5-6時間のレースにシューズを使えば、プロトタイプの欠点が全て露呈し、なにが必要かわかるのです。非常に多くを学べます。
そしてそれは多くの場合、一般ライダーがより速く、よりスムーズに、快適なコンディションのまま最高の結果を得るために必要なものと共通しています。


・FLRシューズはアジア人の足にもとても良くフィットしますが、開発はイスラエル、フィードバックは西欧圏のライダーです。なぜでしょう。
とてもいい質問、有難うございます。欧州圏のサイクリングシューズということだとメジャーどころはイタリアンブランドだと思いますが、マーケティングリサーチを進めていくと欧州圏であってもイタリア人以外のライダーはこれらのブランドの特徴であるナローフィットをあまり好まないということが分かりました。より快適なフィット感を得るために、彼らは実際の自分のサイズより大きいシューズを履いていたのです。
自分の実際の足の長さより長いサイズのシューズを履くと、適正なクリートポジションが取れなくなり、より足への疲労がたまります。
また涼しい西欧圏の国々に比べて暑いイスラエルやアジアで走るのは足自体もむくみやすいんです。なので私たちが最初に作ったサイクリングシューズの足型は、非常に多くの国々で結果として受け入れられ、ブランド立ち上げから変わっていません。

もう一点付け加えたいのですが、従来メーカーのシューズはイスラエルの天候の中ではあまり長持ちしませんでした。貼り合わせている糊が溶け出してしまうんです。ヨーロッパで作られたシューズは涼しく乾いた気候を前提に設計されており、それらを形作っている糊にも同じことが言えます。結果としてイスラエルやアジア圏の気温、湿度に耐えられず剥がれてしまうのですが、FLRシューズに関してはそういったことの無いよう糊にも改良を加えています。


このインタビューを読んでいる日本の皆様へメッセージをお願いします。 皆様の日本という国と文化に対し非常に親近感と尊敬を抱いています。遠い昔の武士の時代から世界に名だたるSONY、トヨタ、東芝といった企業が現れる現代まで、日本の方々の多彩さは私たちの国でもよく知られています。いま、数多くのスタートアップを手掛ける国として知られるイスラエルも、きっと共通の精神性を持っているのではと考えています。
技術、研究開発、グローバル協力で世界一になる。イスラエルの技術とイノベーションを駆使して、誰もが楽しめる最高のサイクリングシューズを作りたいという思いでFLRを作りました。Ritewayとのパートナーシップを通じてFLRシューズがあなたの足を快適に保ち、ライドをより楽しいものとしてくれることを願っています。