愛媛国体 中村龍太郎

愛媛国体は月曜日から木曜日まで競技があるので、会社を一週間休んで参加。
社会人泣かせな日程設定。そこは来年の福井国体は考慮してほしいなぁ。

土曜日はtd55練に参加するもおしっこしてたら置いていかれてボッチで帰宅。夜になってから愛媛へ向けて車を走らせる。

今回は愛媛国体のついでに嫁の引っ越し荷物を大阪から持って帰らなければならなかったので、千葉県選手団とは別行動。
夜通しの運転となるため、80km/hを徹底し、朝松山に着いた時にはギリギリ一度も給油せずにいけた。燃費は15.4km/Lと過去最高記録を更新。

道後温泉本館で朝風呂を決め込もうと思ったら、貸切で入れないとのこと。渋々会場へ行く。

嫁のチームスプリントとケイリンが行われる予定で、トラックに関しては大学時代に少し齧っただけの嫁のレースは不安がいっぱい。
ケイリンは観ていてハラハラしたが、無事にケツでゴール。来年からはスピードをつけるためにトラックをやらせる予定なので、まぁスタート地点ということで。

ロードで一人でプラプラと走りに行く。松山城を遠くに見て、再び道後温泉本館に行き、偶然からくり時計が動き出したので見学した後、帰りに坊ちゃん鐡道を見るという絵に描いたような充実の観光となった。思い残すことはないから帰ろうかというわけにはいかない。

自分のレースは二日目からでスクラッチ予選は午後。午前中は嫁のケイリン敗者復活があったので応援したが、またもや殿を走っていて一安心。

自分はというと10人上がりの予選を無難に6位で通過。優勝候補の新村をマークしていて連れて行ってもらったような感じ。
ギアは51-14だったけど、かかりは悪くなくて決勝も行けそう。
今回の目標は8以内で千葉県にポイントを持って帰ること。もちろん優勝を狙っているがそう簡単には取らせてくれないだろう。

次の日のスクラッチ決勝は15/20人が大学生。恐らく僕が最年長(27歳)。
スタートの号砲でひとつ前の山梨の武山が「熱盛ぃぃぃ!!」と叫んだので合いの手で「熱盛ぃぃぃ!!」と叫ぶ。こういう若さは常に持ち合わせていきたい。

序盤から優勝候補の一人である孫崎が積極的。自分は最後まで足を残してスプリント勝負。
何人か逃げて逃げ切っても後ろの集団の頭を獲るくらいのスタンスで走っていた。
小さい逃げが何回かできるが、手段は逃げ切りを許さない展開。自分は前に出るけどすぐに上がって足を使わない。

「また逃げが吸収されるだろう」と集団のペースが若干落ちたのを見て、それまで何人かで逃げていた広島の選手がそのまま抜け出す。
単独ということでほっとかれてはいるが、残り周回も少ない。

痺れを切らした山梨の武山が集団からアタック。自分は近くにはいなかったので「誰か追って!」と思ったけど、アタックのキレが良くて誰も反応できなかったみたいだ。

新村を徹底マークで集団は上板へ押し寄せる。スクラッチとは思えない牽制のし合いで広島を抜いた武山がこのままいくんじゃないかと焦る。
残り二周を切り、新村の真後ろにいたが下から寄ってきた選手に被されて車間を切ってしまった。
そのタイミングでイン側の熊本の選手がアタック。皆「待ってました!」とばかりにかけ降ろす。自分も必死にスペースを探すが、前を走る選手もいないし、真横に鳥取選手がいて最悪のポジション。
結局イン側から見ると4列目くらいのアウト側を延々走っていて消耗し、鳥取との競り合いにも負けた。

筋肉が悲鳴を上げて止まりたがっているが、自転車は進むのでペダルは強制的に回る。もはやペダル外して慣性で残り行った方が良いんじゃないかと思うほどに抵抗になっている。
逃げが頻繁にできる展開で最後以外はハイペースだったため、皆消耗していたようで、割と前の方に位置してもがいたので6位でゴール。

とりあえず一つの目標である8位入賞が叶った。高校時代にボートで二回、クロスカントリーで一回、自転車は大学で二回、社会人で二回目の国民体育大会で初の表彰台。

PHOTO BY Hideaki TAKAGI

立派な賞状がずっと欲しかったので、かなり嬉しい。ただ、すごい荷物になるねコレ。夜は階上に行く道中にあったおしゃれなカフェに成年皆で行ってお疲れ様会(一人次の日決勝の奴いるけど)。

可愛いアザラシが書かれた抹茶ラテは飲むのが憚られたが、一回口につけると形が崩れたので容赦なく啜れた。

次の日はロードの移動日であり、フリーな日だったのでケイリンに出る板倉を応援。終わったら成年皆で道後温泉観光。
念願の道後温泉本館に入り、茶をシバく。温泉自体は非常に熱かったけど二階の休憩室が風が良く通って気持ちよかった。

トラック組を松山空港まで送り、原と二人でロード会場である大三島へ。
島一周40.4km×3周のダイナミックなレース。jbcfでは味わえない、ほぼラインレースのようなもの。
コースは概ね平坦だけど、三か所長い登りがあり最後は勾配もキツイ、最後は平坦スプリントになりそうなコースレイアウト。

ただ国体の特殊なところは一県二人なのでチーム力が関係なくなること。逃げのメンバーが良かったりするとそのままいけそうな匂いもしていた。

決戦の朝、最後の軽量化で宿のトイレに入ろうとしたら、住んでいる曾婆ちゃんが先に入ってた。出てきた曾婆ちゃんが「大正生まれだからトイレが遅くてね。ごめんね」と言ってきて、100歳越えてる人に人生で初めて会ったもんだから思わず握手してしまった。婆ちゃんはまだ手を洗ってなかった。

朝9時にスタート。前の方に位置して有力そうな逃げには反応する。アタックがかかるがまだ序盤なので皆吸収される。

岡本隼が一回目の登りで上げた時にはついていったが、後ろを振り返ると少し離れたが列が近い。
昨年の都道府県チャンピオンのオッペイがいたが、そのまま逃げる気は無さそうだったので、下りは踏まず、平坦に出てから吸収された。

PHOTO BY Hideaki TAKAGI

二周目に入ってすぐの平坦で奈良ジャージを着た吉田さん含む四人が先行。
ちょうど自分の前をイナーメではチームメイトで信州大の後輩でもある長野の北澤が走っていて、追走を始めたので後ろについて連れて行ってもらう。
二人で抜け出せたようで、前の四人に追い付く。吉田さんが集団を鼓舞して回そうとするので僕も一応80%くらいで先頭を牽く。

正直ここで逃げができると思っていなかったから、後ろを振り返ると思った以上に差が開いていて驚く。そこからは本腰入れて回す。

北澤が千切れ五人に。すると後ろから山梨が単独で追ってきている。水色のヘルメットが見えたのでオッペイだとわかる。
ローテ回すのはきつくないけど一人でも増えた方が逃げ切りが見えてくる。それがディフェンディングチャンピオンなら尚更。
吉田さんにどうするか聞くと「ほっとけ」と一言バッサリ。まぁ、追いつきそうだし、出来るだけ足を使わせて追いつかせるのが良い。

一回目の登りの手前で追いついてきたオッペイにローテ回せよとサインを出すと「俺一人で追いついてきたんだけどぉ!休ませて」と言ってくる。同郷の馴染みで許す。
北海道の中川、福岡の今村、奈良の吉田さん、山口の杉山さん、山梨の水野、千葉の昇り龍(定着しない)の6人。

一回目の登りは吉田さんが一本牽き。ついてはいけるけどキツイ絶妙なペーシングで、登りもイケるんだ(汗)と思う。
平坦は今村がTTポジションをとってぶっ飛ばす。僕もそれに倣ってTTポジション。

メイン集団とのタイム差は2分になり、おや?これはいけるんじゃ?と思ったところで三回目の勾配のキツイ登りに入る。
ここまで山口が辛そうでローテしてもペースを落としていたので、逃げから切りたくて少し登りでペースを上げる。
するとオッペイが「まだ千切るところじゃないよ」と諭す。うーん、そうなのかな…みんな同調してくれないで一人で行くのは嫌だし、言うこと聞いとこ。

PHOTO BY Hideaki TAKAGI

というわけで6人で続行。そうこうしていると残り一周の鐘を聞く。三周のレースだと精神衛生上楽である。
ただ、タイム差は縮小傾向にあり、オッペイもこのまま逃げで踏んで差を広げるか、後ろにあっさり吸収されるか迷っていた。

僕的には戻ってもスプリントする足が無さそうなのでこのまま行きたいのだが、迷っていたら一回目の登りで吸収された。
冨尾が追いついてきて、集団もすぐに追いつく。後ろから大阪の安原が「どけ!」と言いながら上がってきてアタックしようとしていたので、逆にちょっと寄って進路を塞いでおいた。

距離的には残り30kmの位置。疲れていたが前の方にいてアタックに反応する。千葉の原が残っていたので重要な逃げになりそうなものはついていけ、と伝える。

PHOTO BY Hideaki TAKAGI

何人か先行した状態での最後の山場である三回目の登りで集団があまりにも遅かったので何を思ったのがアタック。ばかねぇ…。
足は無いので案の定頂上で吸収される。そこからは無い足を必死に回して集団についていくのみ。

なので残り3kmで草場と冨尾が飛び出したことを知らずに、集団スプリントの位置取り合戦。
鹿児島の水谷が自分の前を走る原を頭で押して歩道に押しやっていて「勘弁してくれ」と思ったが原は持ちこたえてくれた。

残り500mで自分の横で落車が起き、集団もカオスな状態で前に上がれない。スプリントする足もないし、スペースもないのでどん詰まり。

16位で集団内フィニッシュ。

コースレイアウト的には狙ってはいたが、逃げに乗った以上逃げ切りを目指すべきだったのだろう。

来年の福井国体は出られるかわからないけど、ロードでも表彰台に乗れるようにしたい。

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