JBCF#1 宇都宮クリテリウム 中村龍太郎

土曜日の夜にすべての準備をして、速めに寝ようとするけど寝れず。
というのも次の日のレースの妄想で心拍が上がり、汗をかいて熱いから。
脇から脇から選手が上がってきて自分のポジションを奪われ、肩が接触し、ハンドル同士が当たり、ふらつくと怒号が飛ぶ。
コーナーごとにカーボンの擦れたブレーキ音を聞いて、タイヤの焦げた臭いを嗅ぐ。
ゴール前の高速での位置取り争いは寿命が縮む。後ろで落車音がしたら南無三と思う。
その空間に明日飛び込むと思うと、期待と恐怖が入り混じる。

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photo by 五月女さん

何回皿さんを発射したかわからないくらいに、やっと寝れた。
起きると目がばっちり覚めて、元気すぎて山下を集合20分前に迎えに行ってしまう。
そこから井津ケイト嬢を拾って宇都宮へ。

予選は50人上がり。これを最初に聞いた時は「意味あんのか?」と思ったけど決勝の落車の少なさを見ると合っていたのかな、と。
スプリントに自信はあるので(少なくともスプリントになれば50人には入っているはず)落ち着いてスタート。気を付けるのは落車のみ。ニュートラルが無いので落車したらその時点で終わりと見ていい。
スタート列は中腹ぐらい。号砲とともにゆっくりとスタート・・・・すると僕の左隣の選手がクリートを見ながらキャッチしようとしたのか、さらに左の選手によりかかる形になっていてバランスを崩し、落車。
自分も進路を塞がれて自転車を倒す羽目に。幸いスタート3秒後だったのでスピードは出ていないけど左の手の甲にチェーンリングが刺さった。すぐに立ち上がって再出走。足止め食らったみんなで文句言いながら集団に追い付く。STIが内側に曲がったけど自転車は問題ない。
集団の後ろにいると怖いので脇から上がろうとすると、同じタイミングで出てきた譲さんに「龍太郎、危険だから前で先頭交代しよう」と言われる。
「うおおお、名前呼ばれた!」と大興奮!勢いよく返事して先頭へ。
でも脇から脇から選手が被せてくるので、長いこと先頭に居座ることはできない。
先頭は今年からMATRIXに移籍した佐野さんがほぼ固定で走る。

年末年始にかけて選手の移籍の話が出ると、ちょっとワクワクする。海外もそうだけど、特に自分が一緒に走れる国内チームの動向は尚更だ。
去年まで敵同士だった強い人(特にベテラン選手)が、同じチームになるとどんな相乗効果があるのか、近くで見れるのは面白い。今年で言うと土井さんと佐野さんがMATRIXに移籍したのが僕にとってはワクワクする組み合わせだ。
イナーメで言うと今年は遠藤さんが入ったので、高岡さんと森本さんとロードレースでどう連携していけるか、楽しみではある。

話を戻すと、佐野さんは黒い・・・じゃなくて、佐野さんがほぼ先頭固定で周回をこなす。
自分も隙あらば足を使って先頭まで出る。二回くらい後ろの方で落車音がして、イナーメが巻き込まれてないことを願う。見える位置にいるのは高岡さんだけ。この人ほど落車に無縁な選手はいないから、心配はしていない。
ラスト一周で活気づいてくるけど、自分は先頭付近にいるので安心。
折り返しで10番手ぐらいにいたので「よし、予選一位でガッツポースをしよう」と画策。
二個前のコーナー手前でアタックしてそのまま最終コーナーに入る。写真で見ると自分だけスプリントしている。

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photo by seiichiro kobayashiさん

もちろん本気出してはいないけど。みんなが譲ってくれたので両手を広げてゴール。25860777261_2ad27ecbec_h
photo by ゆきまる氏

その後デゲンコルプのポーズしたつもりが女子力高い感じになってしまった。アイランの真顔が怖いね。Facebook-20160323-073845
PHOTO BY boss

50人上がりだとスプリントする必要が無いので意味はないのだけど、ある程度大人になるとハメ外せないので今のうちに(御年25歳)。それと、栗村さんが良く言っているガッツポーズの練習という意味では、あの状況はオイシイ。あの光景をイメージして練習するとモチベーションが高い。
というそれっぽい理由をつけるから許してね、という話。

イナーメの予選通過は四名(中高皿北)。持ってきたハンモックを立てると高岡さんが「これいいね」と言って速攻で就寝。予選のあるレースでは重宝しそうだ。2016-03-23 20.03.01

サインはステージで行うということで気合いを入れてチーバ君帽子で行く。しかし栗村さんがフってきたのはイナーメのオレンジのジャージの方。まぁそっちでもいいのだけど!チーバ君に触れて!ちゃんとサングラスかけてるように見せてたんだから!
という思いも空しく、終了・・・。

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photo by arai yumiko

ちなみにボールをブーケトスっぽく投げるのは高岡さんの提案。

決勝は20周の60km。ユキが最初の周回賞取りに行くと言っていた以外は、基本的に最後の方で集まってラスト二周で先頭付近まで出て、最終コーナーで皿さんを発射させる、というのが作戦。
スタート位置が一番左でブリサポの皆さんの近くだったので、お面を一枚拝借して自分の顔に当てて遊ぶ。「怒られるわ!」と自分でツッコミ、戻すときに気付く。うわぁ、増田さんのお面だぁ・・・。
これには血の気が引いた。そりゃあレイとかなら年も下だし、ご愛嬌ということでチャンチャンかもしれないけど(いや、普通に考えてダメだけど)よりにもよって、増田さんとは・・・申し訳ありませんでした。写真もっている方いたらください(オイ)。
スタートしてアタック合戦。最初の逃げ集団ができて確認するとユキが乗ってない。自分は先頭に上がれるタイミングで誰かを利用して一緒に上がる、というのを繰り返す。

けんさくさかい

photo by kensaku sakai

今回予想していたのは残り5周の周回賞をとった後、ブリッツェンが大久保さんのためにトレイン組んで最終コーナー手前で大久保さんを発射って感じだろうなと思っていた(というのもコースが昨年と変わった時点で皆そう思うよね)ので、確定の逃げ集団ができたのを知ったのはかなり後になってから。
UKYOが先頭に四人固めて追うけど、30秒差から思った以上に縮まらない。逃げのメンバーが強すぎた。
イナーメはというと、途中でユキが上がってきて「櫓が緩んでサドルがグラグラだ」と言ってきたので「oh・・・これぞKitano quality」と、その時点で戦力から切る。
皿さんは度重なるインターバルで消耗しきっていて、途中で「無理や」というので自分がエースということでスイッチ。

shizu furusawa
photo by shizu furusakaさん

ラスト何周かは覚えていないけどユキがサドルグラグラのまま自分の位置まで上がってきて、ホームストレートで位置を一気にあげてくれた。ありがたい。足はあるのになぁ。
ニールプライドも先頭に入ってきて、逃げ集団とのタイム差が縮まるが、ギリギリ追いつけるかどうかわからない。
そこからはシエルヴォトレインとかいろんなところにただ乗りする尻軽系男子。

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photo by いたるん

体が接触するのは当たり前。最終二つ目コーナーでイン側をついてシエルヴォのイヨリの後ろにつける。
結局先頭は捕まらず、イヨリの後ろからスプリントするけど抜けず。14位。

一度大久保さんがクランクの後、ハスっただかで盛大に草に突っ込んでいたけど、それで逃げ集団にgoサインが出たとか。
MATRIXはUKYOを使うだけ使って、もし追いついたら吉田さんのためのトレイン組もうとしたのか待機になり、逃げを追うUKYOのトレインに任せきりになっていた。
今回のレースは明らかなチームの駆け引き。そこにほぼ単独参戦の自分がどう食い込んでいくかは足だけでは不可能だ。今回のブリッツェンの勝利は地元ということもあって、格好良かったな。
開幕戦ということもあってか多くの方が応援してくださいました。すごいのは中村龍太郎㈱な皆様が旗を作って持ってきてくださったこと!本当にありがたいことです。株主の皆様、引き続き楽しく頑張ります故、今シーズンよろしくお願いいたします。

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photo by kanako miyazawaさん!

差し入れもいろんな方から戴いて、会社の僕の引き出しストックが満たされてご満悦な今日この頃(というのもチームへの差し入れも割と僕が持ち帰る傾向があるのでね)。

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photo by kensaku sakai

お返しと言ってはなんですが、今後は僕も千葉の三越で大好きな吉備団子が売っていること知ったのでドンドン配っていく所存です(そしてお供を増やす作戦)。

帰りはみんなで駅前に繰り出してギョーザ。2016-03-23 20.04.05

今年から入ったアキさんにイナーメフェミニンのピンクジャージを上だけ借りて着てみたけど、自分としてもかなり吐きそうな感じになった。冗談でも欲しいと思っている方、一度着てみるといいですよ。マジで冷静になります。
あれが男で似合うのは56さんぐらいだ。ポージングの意味は分からないけどピンクイナーメ可愛いです。

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月曜日は鴨川に合宿に来ている後輩たちに会いに自走で(ボッチ)。鶯→養老→清澄。
雨に降られて、パンクもしたけど無事に到着。寒いので一度止まると心が折れる。
目的の集合写真を撮り、クラス2の練習に混ぜてもらう。2016-03-23 20.04.57

千葉国体のコースを一周してみんなと別れ、帰路へ。酪農の里→410→鶯。
合計で220km。残り70kmでDi2の電池が切れ、インナー固定。30kmで後ろも動かなくなる。
丁度鶯ラインの終わり、セブンに至る上り坂で軽いギアになっていたので、以降回転練習みたいになった。
途中であまりにも進まず、精神的にきつかったので一度電池を抜いて入れなおすと動いた。
トップに入れて、以降はインナートップ。こうギアの変速ができないと高岡さんの全日本での凄さが身に染みてわかる。恐ろしや。

今週末は兄貴の結婚式にて帰郷。
その次の週もチャレンジロードのエントリーミスって出れないので、御柱祭を見に。
というわけで次戦は伊吹山HC。減量開始である。

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