加須鯉幟杯 ITT&TTT 2017 中村龍太郎

GW最終日は加須鯉幟杯。

朝一で実家を出て渋滞なしで会場近くまで。栗橋駅で生田目さんとお別れをして会場へ。

最近「イナーメタイム」と言っておけば許されるという不名誉な言葉が定着してきたので(自分たちで蒔いた種なのだが)、
それを払拭すべく、受付開始30分前に到着するという”らしからぬ”行動。
目の前にフリーダムの加納さんが停まっており、何気ない会話から「会場から5分くらいのところに30年住んでいるんだよ~」と教えてくれた。
加納さんはこの大会に8年連続?で出ているみたい。もはやヌシである。鯉幟のヌシ。

TTバイクに跨るのは昨年の夏の鈴鹿以来。
オーバーホールには出したので機材面での不安はない。
昨年はDHバーを顔を埋めやすいようにベンドタイプにしたが、パワーがでていない気がしていた。
全日本TTを獲ったときにはストレートタイプだったこともあり、せっかくなので新調。
昨年専用ステムをさらに低いものにしたので、全日本TTの時に比べるとハンドル位置が若干下がっているのと、フロントのギア板が55になっていることが変わったところか。image
久々に乗ってみてポジションを確認。受付ついでに試走が出来るようなのでチョロッと走っていたら、岡元さんの姿が見えたので「僕の理想的なTTポジション」を取ってみる。
具体的に言うとサドルの前目に座って骨盤を立てつつ頭を下げる。その時の写真がこちら。18319278_728984367282283_7944781356495359686_o

photo by kouji okamoto

この姿勢を維持できればいいのだけど、体幹が無いからか、長くはもたない。ポジションへの果てなき探求は続くのである…

試走を終えてアップ。軽く回す程度に納める。珍しく風は穏やかで、試走の感じだと往路が弱向かい風7km、復路が弱追い風7km。
設定スピードをどうするか悩むほど距離が長いわけではないので「とりあえず踏む」。作戦はこれに尽きる。
風が穏やかなので当然イオを使う。スタート地点へ。
19番目の出走なのでそこそこ前に人がいて目標が見えてモチベーションが上がる。
18番目出走の選手がいなかったのでその分待つのかと思ったら、「はい5秒前~」といきなり。
スタートしてギアが重たいことに気付く。ペダルキャッチにモタモタ。

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PHOTO BY SHIZUさん

体を低くしてダンシングでトップスピードまでのばす。座ってからGARMINのスタートを押していなかったことに気付いて押す。
前をロードバイクにDHバーぽん付の遠藤さんを速攻で追い抜き、さらに前を見る。
すぐに前がいないので頭を下げて目の右端でオレンジの線を見ながら走る。
回転数はコレ、と決めるのではなく自然と収束していくイメージ。僕の場合は95rpmくらい。
風が無いからか、46km/h前後で走れる。足の調子もいいし、楽しい。
折り返してくる選手見ながら、藤田さんが最後に抜ける選手かなと目算。
折り返して追い風。弱追い風なので48km/h前後。折り返してすぐに藤田さんを抜く。
ココからは自分との戦いで前を見ずにオレンジの線とポジションに集中。
ワットを時折見るが、300を下回らないようにできているみたい。
なるべく数字を見ないようにするので、残り3km看板を左に見て半分を切っていることにモチベーションが上がる。
残り2kmの看板を見た瞬間に後輪から「プシュー!」と音が。まじか。確かに砂利の上を走ってしまっていた。
幸いちょっと抜けたら安定したみたいで(空気圧は前後とも11psi)、それでも後輪に荷重をかけたら一気に抜けそうだ。18320692_831115680369729_8580546858210386448_o

photo by itaru mitsui

どのくらい抜けているのか確認するのも怖いので、「お尻は、(サドルに)そえるだけ」と某バスケ漫画みたいな境地に立ち、
ハンドルにのしかかって全体重を前輪に預けて走る。ペースを上げることはできなかったけど何とかゴール。
急いで止まってロードに自転車を交換してダウン。
帰ってきたらペシャンコだった。パンクさせてしまったのは自分が砂利の上を走ったから。よくもってくれた。

しかしゴールが出来て良かった。なるしまの近藤さんが調子いいとの噂と、RXのモヤッシーさんがTT初参戦で未知数なのもあって不安になったのでゴール地点に顔を出す。
GARMINの数字は17分13秒だったので30秒くらいかな、と思っていたら45秒。ドキッとしたけど勝っているとのこと。
13分45秒は自己新。年々タイムをあげている。今年は風もなかったから初の47km/h Over。

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photo by kouji okamoto

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photo by kouji okamoto

機材的にはもう進化しなそうなので、TTポジションの沼に嵌ろう。
表彰式は久々の真ん中。今シーズンちゃんとした表彰台のてっぺんである。やはり嬉しい。18320421_831118193702811_5362510699255638283_o

photo by itaru mitsui

盾をもらった後、賞金が…ん?なんか分厚いな…
「「優勝賞品は、加須地域で使える商品券2万円分で~す!!」」
…ヤ、ヤッター…アリガトーゴザイマース…
車に戻って頭を抱える。…参った!どうしよう…この地域で2万円落とせる自信ない…。一人暮らしの男子に野菜は大量にいらない。
ふと顔をあげると荷台に腰掛ける加納さんの姿が。あれ?後光が差している…仏?仏なの?
「会場から5分くらいのところに30年住んでいるんだよ~だよ~だよ~だよ~(エコー)」
脳裏をこだまする朝一の加納さんの言葉。
勝手に脳内変換「加須に30年住んでいるんだよ~」→「加須は僕んちの庭だよ~」→「加須の商品券はよく使うよ~」→「加須の商品券は僕が作りました(キリッ)」
個人TTのレース内容の話を振りながら、静かに歩み寄る僕。
「さて、モノは相談なのですが…」と切り出す。1212F093-EBCE-46C6-B5FB-61B423F66192

PHOTO BY SHIZUさん

紆余曲折あったが交渉成立。いやもうほんとにありがとうございましたホントに。

TTTまでまったり。ユキは風邪をひいているだかでグロッキーで昼寝。
オーストラリア帰りの佐野さんがTTTのためだけにやってきた。
ZIPPの前後輪を借りたらしく「久々~」と登場するが、止まろうとした瞬間にガガガと異音。
周りがざわつくほどのガリガリ音。蓋を開けてみるとシューが入ってねぇ!!本番じゃなくてよかった~。
シューを入れて再登場かと思ったら、今度は「フロントディレイラーがアウターにいかない~」ときた。
「なんでだよっ!」とカンニング竹山ばりのツッコミを入れつつ、とりあえず原因は電池だろうと思ったので
僕のロードについている電池をつけるか提案したら「内蔵式だよ」とのこと。
「なんでだよっ!」とカンニング竹山ばりのツッコミ(2分ぶり2回目)。
しょうがないのでとりあえずアウターに入れるべく、僕のロードのFDのコードを抜いて佐野TTのFDに差し込む。
そのドッキングが割とめんどくさくて、目覚めてきたユキにも手伝ってもらって何とかアウターに入った。18358828_831117410369556_932997426444659472_o

photo by itaru mitsui

僕の方はと言うと、応援に来ていたフリーダムの佐藤さんから後輪ディスクを借りることに成功し、スタート前にてんやわんやがあったが、なんとか無事にスタートできそう。
風が出てきて先に走った小清水たちに行きは向かい風、帰りは追い風と教えてもらう。
前輪をvittoriaのQURANO42に変えてスタート地点へ。
ペースは走ってみなきゃわからないので置いておいて、ローテは僕が一人飛ばしで入ることに。
先頭牽いた後、後ろの二人の間に入って僕の回数を増やす作戦。
ユキと僕は55ギアがついていたが、佐野さんは53ギアだったので復路は厳しい。
しかし、個人TTの結果を見る限りユキの調子が悪そうなので、佐野さんを残す方向で走ろうと自分の中で決めていた。

スタートして自分が先頭でペースを作る。速度が安定したところでユキに交代。ユキの後ろに入る。
が、速攻でユキが変わったので休めない。「もう少し牽いて」と伝えたら次から長めに牽いてくれた。
佐野さんはオーストラリア疲れを感じさせないパワフルさで、TTTだけだからと言って長めに牽いてくれる。
実質一人分しか休めないので、後ろを走っていてこれは助かる。71EC9DD6-BCD5-4F74-A9B8-99493FF7EB10

PHOTO BY SHIZUさん

風は左前から吹いているので反時計回りでのローテ。
TTTだと前の目標物云々と言うよりも、自分の時間でどれだけ頑張れるかが肝になってくる。
少しでもWが落ちたらすぐに交代する潔さも大事である。
往路を終えて折り返して復路へ。追い風びゅんびゅんですぐに55km/hを超える。
少し欲が出て60km/hを超えるまで頑張ってみる。
次のローテで佐野さんが千切れてユキと二人に。
ユキ、いけるやん!と嬉しい誤算。55同士のローテなのでペースが落ちない。
ユキも僕もどちらかというとインターバル系の選手なので、後ろで休めるTTTは得意とするところなのだろう。18278422_831115390369758_3390651360128890952_o

photo by itaru mitsui

ゴールはユキが並んでくるのが早かったけどそのまま計測ラインを通過。
佐野さんが謝ってきたけど向かい風で十分牽いてくれたのでOK
とりあえず、2位のRXと18秒差で優勝。なるしまは近藤さんのパンクが痛かった。
鈴鹿のTTTはこのメンバーに56さんを入れた四人で戦います。18278932_831118660369431_4224651898764567422_o

photo by itaru mitsui

表彰式が終わって、渋滞が怖かったので温泉部無しでそそくさと帰ったら16時には家に帰れた。
長きに渡るGWが終わったが、正直予定を詰めすぎて休めていない。
まぁその方が調子も上がるからいいのだけど。

今週末は全日本トラックin宮城県大和自転車競技場。雨だから寒いよね…頑張ってきまする…

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