プロジェクト135パート2 第100回 (ロシア)サンクト・ペテルブルク

 世界遺産としての正式名称は「サンクト・ペテルブルク歴史地区と関連建造物群」という長いものです。この中には、一つ一つが有名な世界遺産である、エルミタージュ美術館、エカテリーナ宮殿、聖イサク大聖堂、血の上の教会など、36件の建造物が含まれています。この一件ずつでも一回分は十分書けるほどの内容でしたが、なんといっても、今回は100回記念なので、一挙公開、豪華100回記念です。今までに、いろいろな国を訪問してきましたが、ロシアは初めてです。今までの国々とは違った印象の国でした。なかでもサンクト・ペテルブルクは大きな田舎町といった国の印象とはまた違う、都会的な町でした。もっとロシアの歴史を勉強すればその素晴らしさは倍増するのでしょうが、行きあたりばったり、その場限り、興味本位の野次馬ですので、あちこち広く数を紹介する、内容の薄い紹介になってしまうのは自分ながら残念です。皆さん、ご自分でご覧になったら、ここサンクト・ペテルブルクは世界の都市の中でも上位に入る見所の多い町だと思いますヨ。どうぞ、次の訪問候補に入れて下さい。
 
■今回場所は
 

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よーこそいらっしゃいました。エカテリーナ宮殿、緑の食堂で今宵のひとときをお楽しみ下さい。
 
あっ、大変失礼致しました、担当給士が軍事訓練に参りまして、退役予備兵がサービス致しますのでお許し下さい。なーんて訳ありませんヨ。
 
これがエカテリーナ宮殿の全景です。ピョートル大帝の妃、エカテリーナ1世のために建設されたそうで、外壁の長さは300mもあるそうです。
 
長さもすごいですが、向こうの角に見える礼拝堂のドームを見て下さい。キンキラキンのネギ坊主が五つもあるのです。
 
外観も全体的に薄いブルーで、柱を茶色の人のような彫り物が支えています。
 
外観もですが、内部も“ド派手”な、豪華というか、なんというべきか…とにかくすごいです。ここが大広間です。
 
ロシアの人は何しろ、キンキラキンが好きなようです。
 
このような廊下を、ずーっと向こうまで、左右に食堂とか、客間とかが続きます。
 
右側のタイル張りの物が暖房用器具というか設備で、裏側から火をくべているそうです。
 
壁一面が絵で覆われている絵画の間です。ここにも暖房設備が目につきます。
 
この宮殿の良いところは、写真撮影可なことです。こんな廊下と豪華な部屋が続くのに、どうぞ写真撮ってという感じでした。但し、ただ一か所、「琥珀の間」は禁止。ここが本当に素晴らしかったです。ナチスが持ち去ってしまったのを、苦労して復元したそうです。写真で紹介できずにこんなこというのも変ですが、ここは迫力ありました。是非ご自分で行ってみて下さい。
 
「琥珀の間」撮影禁止で、ゴメンネ!!と言っているのでしょうか?ロシア人にしては珍しくフレンドリーなオジさんでした。そういえば自転車はGTでした。エカテリーナ宮殿前で。
 
サンクト・ペテルブルクの自転車、ここが宮殿広場です。右側のブルーの建物がエルミタージュ美術館です。
 
子供はどこの国でも同じような格好をしています。
 
この子たちなんか、アメリカに置いても良さそうです。
 
さてここはニコライ1世が息子のために建てたというニコライ宮殿です。
 
中に入ると、四階まで続くような階段が続きます。
 
なんとここは、今ではレストランになっていました。宮廷料理と言われたのですが、メニューだけ立派でした。
 
宮殿広場に建つアレクサンドルの円柱と左手の黄色っぽい建物は旧参謀本部です。ナポレオン戦争に勝利したアレクサンドル1世の円柱は47.5m、一枚の花嵐岩で作られた重さ650トンもあるそうです。
 
旧参謀本部、とてつもなく大きな建物です。広場も円柱もこの建物も、ロシア人は大きなものが好きなようです。
 
そしてアレクサンドルの円柱を挟んで、右側のブルーの建物がお待ちかね、エルミタージュ美術館です。
 
この建物、どこかエカテリーナ宮殿に似ていませんか?大きいことではここもすごいです。美術品の数は300万点、展示室を全て巡ると20km以上になるそうです。
 
こんなような廊下が延々と続き、左右に展示室があり、私たちは半日しかいませんでしたが、ツアーによってはこのエルミタージュ美術館だけで、三日間というツアーもあるそうです。
 
ここが入り口近くの大使の階段です。たくさんの外国使節を迎えた正面階段です。
 
ピョートル大帝の間、白の間、王座の間などなど、一つずつ、一時間ずつかけて見ても飽きないと思います。
 
この美術館の良いところは、展示品の質、数などもさることながら、写真撮ってイイヨというおおらかさです。このくらいの美術館て、たいてい撮らせてくれないところが多いですけどネ。
 
これなんだと思います?なんと、今でも動く仕掛け時計です。エカテリーナ2世の愛人からの贈り物だそうです。女王様の愛人はお金持ちしか出来なかったのですネ。
 
床もすごかったです。これはタイル(モザイク)ですが、
 
こちらは寄せ木細工です。どちらも土足で歩いて良いのです。靴カバーとか立ち入り禁止とかいわないのです。10年後も大丈夫でしょうか?ロシアの人はおおらかなのですネ。
 
ラファエロの聖家族です。なぜロシアの美術館にイタリアの絵があるのか?エルミタージュ美術館はエカテリーナ2世から始まって、ロシアの文化的イメージを向上させるため、国力を誇示する役割を果たすべく、イタリア美術、オランダ美術、スペイン美術、その他世界中の美術品を展示しています。
 
ラファエロのコネスタビレの聖母。アレクサンドル2世がコネスタビレ家から購入したものだそうです。
 
レオナルド・ダ・ヴィンチ、リッタの聖母。やはり、アレクサンドル2世がリッタ公から購入したもの。
 
ダナエ。ティツィアーノ・ヴェチェッリオというヴェネツィアの巨匠の作だそうですが、私は知らない作者でした。ここまでがイタリアの作品です。もっとたくさんありました。
 
そして次の間へ。廊下もすごいのです。
 
確か、レオナルド・ダ・ヴィンチだったと思います。悩める青年。相談にのってあげようと思ったのですがだめのようでした。
 
スペイン美術からはエルグレコの使徒ペドロとパウロです。
 
同じくスペインのベラスケス、昼食。こんなのが、こんなに身近に展示されているのですから驚きです。
 
そしてオランダ美術はレンブラントの放蕩息子の帰還です。
 
絵画ばかりではありません。何しろ大きいのです。
 
これが世界一大きな石の、何でしたっけ?
 
そしてこれが、世界一重たい柱、だったかもしれません。
 
美術館の裏庭では婦人たちがお休み中でした。
 
なーんて冗談です。ホテルの部屋にあった絵です。エルミタージュ美術館だけでもまだ倍くらいあるのですが、今回はサンクト・ペテルブルクです。宮殿と美術館だけではないのです。そろそろ皆さん飽きてきましたか?でも今回は100回記念です。もうちょっとだけお付き合いください。
 
手前が現在の交通事情、馬に乗っている像はニコライ1世、その向こうの金色のドームが帝政ロシアのシンボル、聖イサク大聖堂です。
 
この大聖堂は、1858年に建設され、世界で最も大きな教会建築の一つといわれています。高さ101.5m、左右の幅が97.6m、奥行きが111.3m、収容人数は14,000人といわれています。遠くからでないとその全景はとても入りません。
 
この円柱は全部で48本あるのですが、1本の重さが114トンもあるそうです。
 
今までに、西欧の大きな教会は何度か見て来ましたが、そのどれにも引けを取らない大きな聖堂でしたが、ちょっと違います。大きなドームが今までの物とは違うのでしょうネ。
 
それではサンクト・ペテルブルクの町を見てみましょう。ピョートル大帝の「青銅の騎士」エカテリーナ2世が建てたものだそうです。
 
旧元老院。
 
巡洋艦オーロラ号。日本海で大穴があいたとか。
 
この町は運河の町でもあります。だいたい同じくらいの高さの建物がズラリと並んでいます。
 
アレクサンドリンスキー劇場。ニコライ1世の妃の名にちなんだもの。
 
日本領事館。エルミタージュ美術館の近くです。工事中でした。
 
さてそれではサンクト・ペテルブルクのハイライトの一つ、血の上の救世主教会を紹介しましょう。
 
この教会の素晴らしい点は、外も内もモザイクで飾られているそのスケールの大きさ、精密な内容でしょうか。
 
これ全てモザイクです。
 
皇帝アレクサンドル2世が暗殺された場所の上に建てられたので、血の上の教会というそうですが、そんなことより、内部のモザイクの素晴らしさには圧倒されました。
 
ロシアという国が特に好きではありませんでしたが、こんなモザイク画を惜し気なく写真に撮らせてくれるのはとてもおおらかで良い国なのではないかとも思います。
 
これ、天井です。壁も天井も床も…。宮殿や美術館は、どこかで見たことがあるような場所が多かった気がしますが、ここのモザイク画は天下一品でした。
 
正面なんかもー、皆さん、サンクト・ペテルブルクへ行くことがあったらここ、血の上の教会はお見逃しなく。あっ、周囲に明らかに物取りと思われる連中がたくさんいましたのでご注意ください。
 
サテサテ、今夜はプーシキンも運命の決闘前に立ち寄ったといわれる文学カフェで、現地の文学青年とトルストイの復活について語り合いますか、ナーンテネ。アッ、私はワイン飲んでませんヨ、良―く見て下さい、座ってもいないのですから。
 私たちは今回、サンクト・ペテルブルクだけでなく、およそ二週間かけてモスクワやここサンクト・ペテルブルク、そしていろいろな田舎町を巡って来ました。ロシア全体の印象でいえば、大きい、国も世界一大きな国ですが、なにしろ大きいものが好き、そして、キンキラキンが好き、全体的に劣等感があるのではないかと思ってしまいます。だからあの大きな聖堂、世界にない美術品の収集、パリやウィーンで見たのとそっくりな宮殿などなど後進国とみなされないように、と力んでいたのでしょうか。サンクト・ペテルブルクは素晴らしい町でした。一度は行ってみる価値はあると思います。でも、一部、血の上の教会等を除いては、既視感というか、どこかで見たことのある気がするような場所が多かったと思います。独創性というか、特殊性というかは乏しいかもしれません。その分、大きさ、規模でカバーしようとしているのかもしれませんネ。
 第100回目となると、なんと生意気なコメントをするようになったのでしょう。でも、いろいろな所を見せてもらったから感じられるようになったのだと思います。私はまだちょっと間がありますが、相棒はあと半年で後期高齢者になってしまいます。元気なうちにもっと行ったことのない所へ行かなければ。しばらくは、二週間かけて廻ってきたロシアを報告します。次回は「キジ島の木造教会建築」です。お楽しみに。
 
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