プロジェクト135パート2 第83回 (フランス)ストラスブールのグランディル

 ストラスブールはフランス、アルザス地方の最東端、ドイツとの国境付近にある町です。ライン川の支流イル川の中州にある町で昔から交易の中心地として栄え、ドイツとフランスで争い、ストラスブールはドイツになったりフランスになったりした町です。第二次世界大戦後はフランスに属していますが、その歴史から町はドイツとフランスの文化が融合した特色のある町です。特にイル川の中州にあるグランディル(旧市街)は多くの歴史的な建造物が残っており、1988年に世界遺産に登録されました。
 
■今回場所は
 

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大きいし、高いし、一枚では全体が入りませんが、ストラスブールといえば、この大聖堂は見逃せません。
 
1176年に起工して完成は1439年だそうで、350年以上かかって出来上がったのだそうです。
 
尖塔の高さは142mで、19世紀初頭まではキリスト教の世界では第一位だったそうです。今ではドイツのウルムやケルンの方が高いそうですが。
 
ここは、別称「ストラスブールのノートルダム」というそうです。ところで私はノートルダムというのはパリのノートルダムという場所の名前だとばかり思っていたのですが、聖母マリアの意味なんですって、知りませんでした。
 
外観も立派ですが、内部も素晴らしかったです。
 
この寺院は、内部も外装も石の彫刻で飾られていますが、長方形の本堂に巨大な尖塔が立っている構造はいろいろな都市に見られるキリスト教会の共通点かもしれません。
 
回廊の柱にはたくさんの、石の彫刻が立っています。
 
その中でも特に目を引いたのがこれ、「最後の審判」の場面を表す「天使の柱ピリエー デ サーンジ」というそうです。
 
「天文時計オルロージュ アストゥロミク」というそうです。15分おき、1時間おきにいろいろな動きをし、毎日12時半には全部が動き出すそうです。15分おきの小さな仕掛けしか見られませんでしたが、それでも見物でした。
 
天文時計の難しそうな仕組みです。
 
ステンドグラスも見事でした。
 
ハンスハンマーという人の作、1485年に司祭の為に造られた説教壇。解説書の写真はもっと迫力があるのです。
 
あと一つ、この大聖堂で有名なのがこのパイプオルガンの装飾枠です。種々の像が彫ってあって、特に「物言う猿」が彫ってあるのだそうです。
 
ところで、わたし、高い所へ登るのが大好きなのです。ウィーンのシュテファン寺院にも登ってきましたが、ここストラスブールのノートルダムも登れたのです。
 
ほら、こんなに高くまで登れるのです。ここはシュテファン寺院より達成感がありました。だってこっちはエレベーターでなく全て階段で登ったんですヨ、すごいでしょう。
 
世界遺産のストラスブール旧市街の街並みです。
 
下りるのも全部階段です。よく考えれば当たり前ですが、これは想定外でした。疲れました。
 
でも途中で、聖堂の上部外側も良く見えました。良しとします。
 
これで聖堂から出て町の中を見てまわります。
 
フランスの自転車乗りは行儀が悪いですネー。大通り、自動車も来る道で手放しですヨ。
 
この人なんか、手放しの上にイヤホンしてますヨ。イイのかしら?
 
ストラスブールの町ではこの中央の黒っぽい建物が特に有名だそうです。ストラスブールで最も美しいといわれる木骨式で窓が75もあり、たくさんの木彫の細工がしてあります。カンマーシェル館。
 
まん中の曲がり角の白く見える建物が「鹿の薬局」と呼ばれた、フランスで最古の薬局店だそうです。
 
何気なくスナップ写真を撮っているふりをして撮りました。左隅の兵士を見て下さい、ジッとこちらをにらんでいます。これ撮る前に「写真撮ってイイ?」と近くで聞いて、ダメ!!と言われた直後なのです。今見るとチョットヤバかったかも。
 
プチフランス地区といわれるあたりです。皮なめしの為に屋根裏部屋で革乾燥のため、通風用に特異な廂がある家が連なっています。
 
町並みの、何でもないビルでも彫刻が至るところにあります。
 
グーテンベルク像です。エート、この人は何をした人でしたっけ、チョット待って下さい。
 
そーそー、ここストラスブールはラインの支流イル川に出来た物流の拠点だったのです。右が見張り塔と左が水門の一部です。
 
川を利用した物流は自然のままの川では都合が悪く、水門を造って大きな船をスムーズに通す必要があります。この写真の左の方が自然に近い流れ、右側が水門です。
 
こんな水門を通って、今、船のある水面はここですが、水門を締めて、この黒い壁の上まで水を満たして、、、。

 
向こう側の高い水面と同じになると
 
前の水門が下へ沈んで船が通れるようになって、これで進んでいきます。今回の旅では何十回もこれを繰り返しました。
 
船と岸の間はこのくらいしかないのです。スリル満点で初めてのうちはじっと見ていたのですが、あとの方は飽きてしまいました。
 
今回の旅の中で、一回だけでしたけれど、とてもはっきりした虹が見えました。我家のカメラでも撮れるほどはっきりしていました。きっと皆さんに良いことがありますヨー。
今回、ハンガリーのブダペストからスイスのバーゼルまでの船旅はここストラスブールでゴールです。8ヶ所の世界遺産を巡ってきましたが、同じヨーロッパでもハンガリーとフランスでは違うこともありますし、同じようなところもありました。どこへ行ってもビールとワイン、それにチーズは豊富でした。教会とマルクト広場、つまりマーケットはどこにでもありました。東洋のオバさんだからかもしれませんが、皆さんとても親切でした。地図を片手に町を歩いていれば、メイアイヘルプユー?と声をかけて下さる方が何人もいました。考えてみれば、英語圏でない人々なのに、、、自分はとてもできないと反省してしまいます。それにしても、ヨーロッパで川の重要性がとても高いことも感じました。今回は長さ110m、幅11mの大きな船で全行程を同じ船で移動できました。ドナウ川、マイン・ドナウ運河、マイン川、そしてライン川と一つの船で移動できるのです。マイン川だけでも34か所の水門があるそうで、1992年に完成した運河によって、北海から黒海まで一つの船で移動できるのは、私たち観光客にとってもですが、物流にとってなんと素晴らしいことかと体感できました。この年齢になっても知らないことがたくさんあると感じます。世界遺産だけが見るべきこと、物とは思いませんが、UNESCOがせっかく選んでいるのですから、これからも大いに活用させてもらって、135を続けたいと願っています。どーぞお付き合いください。さて、次回は?これを書いている時点でまだ決まっていないのです。どこにしようかなー。
 
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