プロジェクト135パート2 第35回 (西ノルウェー)ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド

 世界地図を見ると北緯60°から70°ぐらいの間にあるスカンジナビア半島、その西側、北大西洋に面しているのがノルウェーです。よく見るとヒビ割れたおもちの様に切れ込みがかなり内陸まで入っています。これが氷河が陸地を削って出来たといわれるフィヨルドです。日本でも似た様な地形としては三陸海岸とか知床半島とかが思い浮かびますが、規模が違います。ソグネフィヨルドのように海から200kmも伸びているものもあります。世界遺産の1つであるネーロイフィヨルドはこのソグネフィヨルドの支流にあり、最も狭い場所で、250mとこの地域で最も狭いフィヨルドです。ガイランゲルフィヨルドと共に世界遺産に登録されました。穏やかなフィヨルドの両側には標高1000m級の断崖が迫り、山の斜面には滝が流れる美しい風景を堪能でき、運が良ければやぎやアザラシに出会えることもある、そうです。こんな観光案内に誘われて行ったのですが、これは夏のこと、私達が行ったのは12月中旬、神様の機嫌が良ければオーロラが見えるかもしれないという極夜の季節です。さて、どうなります事か?
 
■今回場所は
 

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皆さん、これが冬のフィヨルドです。これで昼間の1時頃です。
 
最近のデジカメは性能が良いので後ろに雪のフィヨルドが撮れていますが、肉眼ではただのまっ暗闇です。
 
私達は今回沿岸急行船トロルフィヨルド号に乗って旅しました。沿岸急行船はベルゲンからキルキネス間を12日かけて往復している生活輸送定期運航船です。
 
始まりは古く、100年以上も昔、厳しい自然環境にある沿岸の諸都市に生活物資を送り届ける為に運行の始まった定期船だそうです。昼間も夜中も、人がいてもいなくても決められた港に寄港します。入港や出港は見ていてあきません。
 
船内にあった航路図です。私達はこの一番下(南)のベルゲンから切れちゃってますけど1番上(北)のキルキネスの間を6泊7日で北上したのです。
 
最初の寄港地はオーレンス、まだ雪もなく、気楽に下船できました。
 
これでも昼間です。だんだん日が短くなってきました。
 
次の寄港地トロンハイムはもう雪がうっすらと積っていました。
 
トロンハイムは昔の首都だったニーダロスを起源とするノルウェー第3の都市で、このニーダロス大聖堂や大司教の館などのある結構大きな町でした。
 
このトロンハイムの町は欧州トップレベルの科学技術の研究施設の揃う、学園都市としても知られているそうです。さすが、賢い人達はこんな雪でも自転車に乗るようです。
 
ブリッゲンでも見たような木造の大きな倉庫が運河沿いに続いていました。
 
北陸にあるように、半分水の上の建物の下に舟でも入れるのでしょうか?
 
カモだかアヒルだかが列を作って運河を登って行きました。誰も食べちゃわないのでしょうか?
 
船に帰って来てもまだまだ荷捌きは終っていませんでした。北上しつつもこの辺までは多少明るい時がありました。
 
何と、今夜の主菜はトリのテリヤキ。とても美味だったのですが、さっき見たアヒルじゃーないヨネ??
 
デザートはこんなもんでした。
 
そーでした、フィヨルドです。船のまわりは大体こんな具合の物が見えていました。
 
これ、カメラだからこんなに見えますが、肉眼ではあまりよく見えません。
 
この日は北緯66°33′39″を越えて北極圏に入るお祭りがありました。この寒いのに背中に氷水を入れるのです。何が悲しくてこんなことをするのでしょう?
 
この北極圏入りぐらいまでは何となく明るくなり、まわりのフィヨルドが見える時がありました。
 
次の寄港地、ボードーに着いた頃にはもう明るい時でこの程度になってきました。汽車の駅です。大きな町でこの程度ですから沿岸急行船は大切なのです。
 
北極圏のボードーにも自転車はありました。
 
ちゃんと使っている人もいました。
 
それよりなにより、とてもたくさんの人がこの季節でも自転車に乗っているのだと思われます。
 
ボードーに限りませんが、この時期、町はクリスマスのイルミネーションがあちこちにありました。
 
この壁一杯の人?は誰でしょう?
 
この大きな金庫には何が入っているのでしょう?
 
船旅の楽しみの一つ、夕食。本日のメニューは“ビーツと大麦のリゾット”“タラのハーブソテー”“チーズ、ベリーコンポート”でございます。
 
時々、南行きの沿岸急行船と行き違います。
 
北極圏のビール工場、マックビールの工場内パブです。50種類ものビールが飲めるそうです。トロムソに寄港しました。
 
入る前はこんな感じだったのですが…
 
出て来たら現地の弟?に出会ってしまって…
 
出港5分前に帰らないと乗せてくれないそうです。この日は私達が最後の客、イージャナイノ船員さん、といったらサー何といわれたでしょうか?なんせ高いビール飲んで来たのですから…。
 
サー暗闇の中でフィヨルド見物です。
 
あのまっ白と、まだらの間を船は行きます。
 
左手のまだらの向こうに明りが見えてきました。これが、ノールカップへの港、ハーヴォイスンです。これまっ昼間です。
 
ヨーロッパ最北端といわれるノールカップへ行く道はこんな具合です。降ろされたら絶対死にます。
 
やってまいりましたノールカップ。暗くてまわりはよく見えませんでした。
 
あっそーそー、毎日の朝食、昼食のブュッフェで1番おいしかったのがこのサーモン、おいしかったー。
 
かくして6泊7日の船旅も終り、最終寄港地キルキネスに到着です。アー良かったット。
 
ロシア国境近くのキルキネス空港です。いかにも最端の空港といった風情でした。
 
私達も凍った雪の上を歩いて搭乗です。今回はチョット疲れたけど楽しい、わかりやすい旅でした。
今回のタイトルは西ノルウェーフィヨルド群、ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドですが、実際には、西ノルウェーフィヨルド群だけになってしまいました。それぞれのフィヨルドの入口あたりは通った筈なのですが、何せ暗いし、雪だし、案内など何もないし、知らない間に最終地キルキネスに着いてしまいました。でも、全コースがまわりはフィヨルドでしたし、何と最終日の晩にはオーロラが見えたのです。何年か前にアラスカで見えたような気のしたオーロラと違いはっきりカーテンのような物が動き、滝の様に崩れたり、寒くて暗い中、ねばった甲斐がありました。いろいろな世界遺産を見て来ましたが、前回のブリッゲンと今回のフィヨルド群は私達のような不勉強の人間にも分かりやすく楽しい旅でした。物価の高いのと、特にアルコール類の高いのと、昼間がなくていつ起きていつ寝ればよいのか分からない生活には疲れました。ずっといたら、私など変になってしまうかもしれません。次回はどこでもよいので太陽のいっぱいある所へ行きたいと思っています。おつきあい下さい。
 
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