パワー4%向上を謳うスコプレ(SKOPRE)社の「ゼンクリートシステム」。これまで「本当に効果あるの?」と遠巻きに眺めていましたが(笑)、意外や効果を感じる方が多いため、私も試してみることにしました。
普通のクリートと交互に付け替えながら、10ヶ月間にわたる長期でテストしました。そして現在も使い続けています。

中学生からのスポーツバイク歴は20年以上。父となった現在はヒルクライムレースメインで、グラベルキャンプツーリングや年間数戦のシクロクロスも。
・Mt.富士ヒルクライム ベスト66分
・ツールドおきなわ市民210km 完走
目次
「上死点・下死点」のストレスが消える?驚きのペダリング感覚
ペダリングにおける「上死点」と「下死点」は、スムーズな回転を阻害するいわば「壁」のようなストレスです。ゼンシステムを導入して一番に感じたのは、この死点を「スルッ」と通過できる感覚でした。結果、ペダリングが楽しくなります。
片脚ペダリングでわかる「回しやすさ」
私はアップとして片脚ペダリングをよく行うのですが、ノーマルクリートでは高ケイデンス時にどうしてもトルクが抜けそうになります。これがゼンシステムだと、今までより高いケイデンスでもスムーズにペダリングを続けることができました。
激坂での恩恵
富士あざみラインや風張林道のような激坂ヒルクライムも、上死点や下死点でトルクが抜けてしまいやすいと思います。そんなシーンでもゼンシステムを使ってるとトルクが抜けにくいです。
ヒルクライムでタイム短縮に成功
まずはヒルクライムでタイム比較です。クリート以外の機材はすべて同じ(サドル高は説明書通り+7mm調整)。土曜日に通常のクリート、翌日曜日にゼンシステムで同じコースを走ります。スタート地点までの往路は負荷をかけず流して、出来るだけ同条件になるようにしました。
ノーマルクリート 12:42
ゼンシステム 12:18
24秒のタイム短縮に成功しました!タイムの短縮以上に強く感じたのは、軽く脚が回り、感覚的に楽に感じることです。
しかし今回はたまたま良い結果が出ただけかもしれないので、もっと色々なコースで試してみることにします
よみうりランドV通り
8/28ノーマル 2:35
9/1ゼン 2:15
→タイム差-20秒
連光寺坂
4/9ノーマル 4:40
4/8ゼン 4:38
→タイム差-2秒
自身のコンディションもあると思いますが、総じてタイムが短縮されています。
付けたり外したりをしている中で不思議に感じたのが、付けた時は確かに良くなった感覚があるのに、外した時はあまり変化を感じないということです。これは推測ですが、このクリートにはペダリングを矯正するような効果もあるような気がしています。
逆に平坦路では?
平坦1.7km
7/8ノーマル 3:12
7/12ゼン 3:10
8/19ゼン 2:37
8/25ノーマル 2:37
03/01ノーマル 2:43
03/08ゼン 2:47
03/31ゼン 2:43
04/05ノーマル 2:44
登りと打って変わって平地ではタイム的にも感覚的にもあまり効果は無いように感じましたが、ライディング時の違和感やデメリットも特にないため、「登りに備えて付けておく」価値は十分にあると感じます。
デメリットは?
歩きにくさ:ロード用のシューズはただでさえ歩きにくいのに、さらにつま先が上がって歩きにくくなります。とは言えそもそも元から歩きにくいのは変わらないので、受け入れられるレベルです。
コストの高さ(ゼンクリートのみ):「ゼンクリート」はクリート一体型のため、摩耗したら丸ごと交換が必要です。コスト面が気になる場合は、シムタイプで再利用できる「ゼンスリップ」を選択すると良いでしょう。
固定力の弱さ(ゼンクリートのみ):スプリントで外れそうになることがありました。そういう使い方をする方もゼンスリップを選びましょう。
ちなみにダイレクト感は通常のクリートと変わりありませんでした。
「ゼンクリート」vs「ゼンスリップ」どちらを選ぶか?
ゼンシステムには通常のクリートに挟むシムタイプの「ゼンスリップ」とクリート一体型の「ゼンクリート」(keo互換のみ)があります。両者のメリット&デメリットを挙げてみましょう。
ゼンスリップ

+
ペダルメーカーを選ばない
繰り返し使えるのでランニングコストが低い(定期的に変形やヒビはチェックしましょう)
キャッチ&リリースの感覚は純正クリートと同じになる
−
ゼンクリートより取付が面倒
ゼンクリート

+
一体なので強度的に安心感がある
取付が簡単
−
keo対応ペダルにしか使えない
キャッチ&リリースが緩い
クリートが消耗したら丸ごと交換が必要
重量・剛性は?
剛性など走行性能は特に差を感じません。重量はゼンスリップが少しだけ軽いです。
ゼンスリップ 99.5g(本体27.5g+Keoクリート41.5g+ボルト30.5g)
ゼンクリート 106g(本体76g+ボルト30g)
選び方の基準
シマノやTIMEなど、Keo以外のペダルを使用している方、またはスプリントでの固定力やコスパを重視するなら、ゼンスリップ一択。
LOOK Keoペダルを使用していて、取付の手間を省きたい方、スプリントをあまりしない方なら、ゼンクリートがおすすめです。
取り付けについて
シューズとの相性によってはボルトの長さが合わず、交換が必要になる場合があります。例えばFLR F-XXのようなソールが薄いシューズの場合、純正ボルトが長すぎてシューズ内側に飛び出てきてしまいました。ネットで長さの合うボルトを探して対応しました。
ボルト長 参考データ
ゼンクリート純正 13.5mm
keo純正 10mm
xpedo純正 12.5mm
まとめ:ヒルクライマーなら試す価値アリ!
ゼンシステムは、単にパワー数値を引き上げるだけのパーツではなく、「ペダリングと身体の使い方を改善してくれる」革新的なアイテムです。私はゼンシステムとノーマルクリートを装着したシューズをそれぞれ用意して、定期的に履き替えることでペダリングの確認をしています。
特に、足がスッと回って気持ちよく加速していく感覚は非常に印象的でした。実走データが示す通り、登りにおけるタイム短縮効果は間違いありません。一秒でもタイムを縮めたいヒルクライマーは、ぜひ一度試してみてください!



