宇都宮クリテリウム&ロードレース 2018 中村龍太郎

走りっぱなしのGWを終えて体はボロボロ。
そのままケアもせずに仕事してたもんだから体が固まっちゃって、木曜日に腸腰筋が痛んで歩くのもしんどくなるほど悪化。
金曜日に前まで通っていたタイマッサージに駆け込んで荒療治。小一時間シバかれたら今度はハムストリングが痛みだす。
まぁ普通に歩けるようになったから良し。

宇都宮クリテリウムは例年3月の開幕戦だったのだけど5月になったことで寒くなくていい。
今年から予選は無く、その代り人数が絞られた。予選があると強いチームが人数8人フルで決勝に来たり、
予選で落とされるのは数人か、というレベルだったのでそりゃ予選は頑張らなくなって見ていてつまらなかった昨年。
今年は一チーム6人と(TOP-P以外は5人)公平な勝負になる。
うちとしてはよりチャンスになるので、ガラにもなくミーティングなんぞ。

PHOTO BY 三井至

エースは小山、最終発射台は自分。
クリテリウムに関して言えば、自分が前橋で2位になったので勝負するという話になるけども、その時はブリッツェンの若手全員が海外遠征していたし、コースレイアウトも一本道のテクニカルなものだったので通用したんだと思う(多分)。
宇都宮や太田原のようなオーバルなコースだとチーム力が物を言うので対抗できない。
なのでとりあえずピュアホワイトの小山のシングルを狙ってレーススタート(本人勝つ気満々だったが)。
イナーメメンバーは中村北野田渕小室岩佐小山。何年か前に逃げ切りもあったので序盤の逃げには自分とユキで反応。
反応する判断はキナン、ブリッツェン、マトリックス、シマノのうち2チームがいったらと打ち合わせる。
2周目に入ってシマノマトリックスキナンブラ―ゼンが逃げる。ワンテンポ遅れたが、小畑さんがブリッジかけたのを見て自分も追走。
追いついた先には入部さんと山本(弟)がいて、おっメンバーいいじゃん!と思ったけど、人数が多いのとそこまで後ろの集団が離れていなかったので、山本(弟)がローテを拒否。

PHOTO BY KENSAKU SAKAI

結局足並みが揃わずに吸収される。追走に足を使ったので少し下がるが、回復してきたら前に上がる。
後ろにいる間に逃げが出来たようで、シマノオーマイ、キナン山本(弟)、ブラ―ゼン、ヴィクトワール白川の4人。
ブラ―ゼンがすぐに落ちてきて先頭3人に。ブリッツェンがいってないし、大丈夫でしょ!と楽観的に考えて集団待機。
残り6周辺りからブリッツェンが先頭へ集まりだし、紫がとてもよく似合うマトリックスの佐野さんが先頭に出ると追走の合図。
キナンの山本(弟)が粘りをみせて(というか3人で逃げてる時よりも独走になってからペース上げたみたい)、意外と差が縮まらない。
イナーメはとりあえずメンバー集まろうとするが集まっては離れての繰り返し。

PHOTO BY 五月女さん

残り2周で一瞬小室さん→ユキ→中村→小山のラインが出来たけど集団内で崩壊。
残り一周の鐘を聞くところで山本(弟)が吸収され、さらに慌ただしくなる。
その中でユキがホームストレートの途中まで前を走ってくれたがギブアップで自分にチェンジ。自分はポジションを上げるが速すぎて足がいっぱいになってきた。
FIETSのヤンボーの後ろに入った自分を、後ろにいた小山はパス。ヤンボーが中切れすると見越してのことだった。
そのままヘアピンに入るとコーナーをミスったか小山の前にスペースが出来てしまう。自分が行って埋めれればよかったがその足もなく。
小山から切れたヤンボーを追い抜いて必死で追うが、小山が無事に先頭の尻尾を掴んだのと自分がもう追いつかないと悟ったので、後ろから精一杯の応援をする。
ブラケットもって一呼吸おいて何気なく後ろ見たら誰もいない。慌ててスプリントするが何人かに抜かれて12位でフィニッシュ。
最後の最後で仕事できなかったのが悔しいが、小山に助かりましたと言われるだけで救われる。
小山が8位で小室さんも14位と、当初の目標のシングルフィニッシュ含めて3人でポイントも稼げたので良しとしよう。

レース終了後は意気消沈している田渕と次の日の試走へ。昨年と逆回りのコースは鶴の下りが危ないとの噂だったが、二人で走る分にはそこまで危ないと感じなかった。
鶴ゴールでは登りが実質鶴くらいだったので逃げが決まらない展開だったが、今回はエリートの駐車場から考えると5分くらい登ることになるのでサバイバルレースが予想された。

試走を終えて、さて何食うかと話になった時にまずは正嗣の餃子が思い浮かんだのだけど、カフェテラスLIONの特大オムライスも食べたくなった。
ということで正嗣の駒生店で焼と水を1枚ずつ頼んで(お店の人に何度も「足らないんじゃね?」と言われた)、LIONへハシゴ。メニューを見た田渕が「なんで餃子挟んだんですか?」と怒る。
それもそのはず特大オムライスのスペックは卵6個とチキンライス2.5人前!
(後に田渕が残り一口、僕が残り1/4の時に「実は3人前入ってます」と要らん情報がもたらされた。僕は一瞬スプーンを落としそうになった。)
黙々と食べて完食。久々に息をすると苦しい程食べた。なぜ餃子を食べたのかと思ったが後悔はない。

宇都宮駅前に移動してカプセルホテルで就寝。
次の日の朝は宇都宮駅に到着した佐野さんを健太でお出迎えして一緒に朝ごはんを食べてから会場へ。
既に雨が降ったりやんだりで、先に走るEの選手たちの惨状を聞くだけで憂鬱になる。
SALICEのレンズをクリアにしてSUNVOLTの帽子をかぶって出陣。早めに行って先頭を確保する。

PHOTO BY 三井至

ニュートラルが鶴の下りを終えてから解除されるのでそこまではみんなで行くのだけど、遅すぎて周りが信じきれなくてズルズル後退。
最初が一番怖かった。以降は一列になったので逆に走りやすかった。
1周目のアタックには自分とユキ、佐野さんが交代で反応。

PHOTO BY 三井至

逃げ集団が出来ては吸収が繰り返される。やっとこさ逃げが出来たのは5周目に入ってから。
鰤と的の逃げに集団は容認の方向。逃げ切ることはシマノが許さないと言わんばかりに全員が先頭に立ってコントロールをし始めたのを遠目に見る。
イナーメとしてのチームオーダーは「生き残れ、さすれば道は開かれん(勢い)」だったので、佐野さんがそばに来たので誰がいるか聞いてみると「キョウシロウの3人」との回答。小山さんどこへ…?
元々ゴール地点は雨だけど、鶴カン下ったら曇りという不安定だった天気が、逃げが決まったあたりから全コース本降りに変わってきた。
7周目の鶴カン下り後の田んぼの開けた二車線で落車が発生。ブレーキングするもタイヤが滑って間に合わず、自転車を投げて歩道へダイブ。
両手から着地し受け身をとる。すぐに立ち上がると飯野さんの自転車が前輪外れて転がってた。ひええ。

photo by kensaku sakai

チェーンが外れていたので「落車久々だな~」なんて思いながら落ち着いて直し、自転車に跨る。
両掌から血が出ていてブラケット握ると痛い。ここで今日手袋をし忘れていたことを思い出す。
前を単独で走るブリッツェンジャージが見えたのでそこまで頑張って踏む。すぐに追いついたけど「ちょっと休憩…」とステルス機能発揮。
玲が後ろを振り返ってバレたところで、たった今追いついてきたようにふるまって先頭交代に入る。ごめんね。
エリートの駐車場で小畑さん達の小さい集団を追い抜いて、玲の力で集団復帰成功。そこまで集団もペースを上げてなくて良かった。

PHOTO BY KOUJI OKAMOTO

シマノのコントロールで徐々に削られていくタイム差。トドメをさしたのは紫の彗星でした。
佐野さん(紫)のアタックを皮切りにシマノトレインが崩壊。まだ安原が前にいるのに先頭をガンガン引く佐野さん(紫)に土井さんが「牽かなくていいよ!!」と叫ぶが聞こえていないよう。
苦笑いの土井さんに「スイッチ入りましたね」というと土井さんが直接伝えに行った。余裕だなぁ。

そこからはアタックの応酬で集団のペースが速かったのだけども、そのペースよりも自分は鶴の下りで攻められず、車間を空けてしまっていることが増えて中切れを作っては埋めを繰り返す。
登りで千切れた選手と合流したりだったのでそこまで迷惑はかけていなかったけど、足はその度に削られる。
12周目の萩の道に出る登りでいよいよ千切れる。ギリギリ尻尾は見える状態で残り2周。千切れたメンバーでなんとか追いつこうと先頭交代する。
ブリヂストン窪木さんのブレーキの利きが悪いのか、折り返しと鶴の直角コーナーでは自分よりも遅かったがそれを待って、ブラ―ゼン柴田シマノ38コータの5人でローテ。

PHOTO BY KENSAKU SAKAI

萩の道前の登りで集団が見えたので一気に追いつけるかな?と思ったら先頭でペースが上がっていた。
補給所で中畑監督から「11!」と指示を受けて集団の先頭で11位という意味だと理解する。とりあえずこの集団でゴールすれば15位以内は確定で、11~15のどの順位でもポイント変わらないということを確認する。
とはいえ勝負を諦めるのではなくてせっかくなら先頭に追い付いてみよう!と平坦と下りで全開で牽く。
ただ萩の道に入る登りの中腹でバイクが見せてきた黒板には50秒と書かれていた。オーマイ!
後ろを振り返って誰もいないことを確認し、横に来た38のケツを押して終了。残りは一人でゴールまで走り、15位でフィニッシュ。

PHOTO BY 五月女さん

足の調子は良かったが、落車と下りの恐怖心から先頭には残れなかった。とはいえもう少しという自覚もアリ、今は次のレースに向けてモチベーションは高い状態。
痛めた手首もレントゲンを撮ったらなんともなかったので一安心。
宇都宮のレースは観客が多くてすごく楽しい。プロツアーチームの応援に混じって自分の名前が叫ばれるとすごく力になります。応援ありがとうございました。
今週末は木島平の2days。自宅に敷く毛皮を獲りに行ってきます(大体みんないらないから自分に回ってくるというオチも含む)。

 

中村 龍太郎(なかむら りゅうたろう)

チーム:イナーメ信濃山形

2015年全日本選手権個人タイムトライアルチャンピオン。一般企業に勤めるフルタイムワーカーでありながら、Jプロツアーを走り1桁台の順位を量産。トラックレースにも参戦し、全日本オムニアムでは3位。毎週末のようにレースに参戦し、レース数はプロをも上回る。

主な成績

・2015年 全日本選手権 男子個人タイムトライアル優勝
・2015年 Mt.富士ヒルクライム優勝
・2016年 全日本選手権オムニアム3位
・2017年 JBCF Jプロツアー 前橋クリテリウム2位

使用機材

ロードバイク:Felt AR FRD

TTバイク:Felt DA1

トラックバイク:Felt Tk FRD

ヘルメット:BBB ティトノス

ブログ

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