開発責任者お尻が痛くなりにくい 設計コンセプトを語る

こんにちは、ライトウェイの開発責任者のサキです。
2018年から発売を開始した新シェファードのniauジオメトリーについてその背景と特長を紹介いたします。
まず基本として、新しいシェファードは30分以上の走行時間を想定して作っています。
時々でも30分以上乗る予定がある人向けのクロスバイクです。

150cmの人も175cmの人と同じライディングポジションが取れる

新しく開発したniauジオメトリーはフレームサイズに合わせてホイールのサイズも変更しています。
これには小さなライダーも大きなライダーも同じライディングポジションが取れるようにする意図があります。

 

フレームサイズとホイールサイズが連動

一般的なクロスバイクのフレーム設計は700Cホイールを基本にフレームサイズを変更してライダーの身長に合わせてきました。
元々販売していたシェファードシティーも同じく全サイズホイールサイズは700Cで共通です。
*700Cとはホイールの外径サイズ

軽快車(ママチャリ等)だと24インチ、26インチ、27インチという車輪サイズがあり、身長に合わせて選べるのに、スポーツ用クロスバイクだと、どんな身長の人でも27インチに近い700Cサイズしか選択肢が無いのが当たりまえでした。

このホイールサイズが1つしか無い原因は、欧米主導で規格化されてきたロードバイクとMTBを融合させて生まれたクロスバイクの宿命とも言えます。
欧米人は女性であっても平均身長が165cm以上ある国が多く、それだけ身長があれば700Cホイールでも大丈夫なのですが、日本人女性は彼らよりも約10cmも平均身長が低いのです。
そのため、フレームだけを小さくした700Cのクロスバイクだと扱いにくいことが課題でした。

 

全て700Cサイズで作られたシェファードシティ

シェファード サイズ別ホイールサイズ-02

サイズ別にホイールサイズが違うシェファード

 

シェファードシティーはホイールの高さは3サイズとも同じで、サドルを支えるシートチューブが少しづつ高くなっています。
*適応身長はシェファードに合わせて調整しています。

新しいシェファードはホイールの高さが変わっていることを破線で示しています。

 

課題はお尻の痛み

新しいniauジオメトリーを作るにあたり、これまでライトウェイのクロスバイクを買った人にアンケートを行いました。
そこで見えてきたのは、買う時と買った後の課題のギャップです。

ライトウェイユーザーアンケート

400名にアンケートを実施した結果、購入時は前傾姿勢が辛そうなのと、お尻が痛そうという人が半々に対して、実際に買って乗った後はお尻の痛みに困っている人が大きく増えています。

これから読み取れるのは、ママチャリなどの軽快車に乗っている人からするとクロスバイクの前傾姿勢は最初は取っつきにくいですが、乗ってみると意外と大丈夫だという点です。

ただ、購入時は結構前傾を気にしているので、お店の人も楽なクロスバイクを勧めてしまいがちですし、買う側もママチャリのような楽な姿勢のクロスバイクを選んでしまいます。

 

クロスバイクを買ったら意外と長時間乗る

もう一つアンケートがクロスバイクの平均乗車時間です。
実はエントリーモデルのクロスバイクでも結構長時間乗っていて、平均30分以上乗る人が63%にもなります。

クロスバイクの平均乗車時間

アップライトなポジションでお尻が痛くならない範囲は15分程度です。
それ以上走ると、アップライトなポジションではどうしてもお尻への負担が大きくなってしまいます。

購入前の心配ごとと、実際に走り始めてからの困りごとのギャップを埋めるのがシェファードのniauジオメトリーです。

 

体重を10%前方へ移動

サドルへの体重を減らして、腕とペダルで体重を支えるために前傾姿勢が51-52度になるようにフレームビルダーの西原と基本コンセプトを決めました。

左がシェファードシティー Lサイズ=前傾60°、右が新しいシェファード 700C=前傾51° *身長175cm

シェファードの前傾姿勢

この図のように、約10%重心を前に移動させることで、お尻への負担をかなり軽く出来ます。
軽快車しか乗ったことが無い人にとっては少し前傾が強めなのですが、1週間乗ると慣れるので安心してください。
先ほどのアンケートで紹介した通り、前傾の辛さよりもお尻が痛い人が大部分なので、最初に思い切ってスポーティな設計のクロスバイクを買った方が後で幸せになれます。

*この人形が乗っているイラストは日本人の各部位の平均サイズが収録された生体計測データを利用して、乗った時のポジションを出せるモデリングソフトウェアを使っています。

どれぐらい前傾なのかを比較するために、ロードバイクのモデリングも並べてみました。

レース用ロードバイクは前傾は43°です。これは一般の人が乗れるようになるまでは数か月のトレーニングが必要になる前傾姿勢になります。
その代わり、100km以上走ってもお尻の痛みは少なく、高い出力を維持できる姿勢です。
シェファードのniauジオメトリーはそれよりもかなり前傾姿勢が緩いので、トレーニングの時間をかけなくても慣れで乗れる範囲に前傾を調整しています。
運動が苦手な人でも無理せず乗れて、お尻への負担も少ない丁度良い前傾角度が51-52°なのです。

 

155cmの人も175cmの人と同じポジションが取れる

もう一つのポイントが小柄な人でも175cmの人と同じライディングポジションが取れることです。
当たり前のように聞こえますが、実はホイールサイズが同じフレームだと身長が小さくなるほどアップライトなポジションになるのが一般的です。
これは意図したものではなく、身長に対してホイールサイズが大きいので、ハンドル位置が下げられないのです。

下のモデリング図は従来の700Cホイール統一でフレームサイズだけを変更したシェファードシティーの前傾比較です。
同じモデルなので、できるだけ同じ前傾姿勢を維持できるように設計していますが、身長150cmの人が乗ると4°上体が上がった状態になってしまいます。

クロスバイク 24と700Cの前傾姿勢

700Cホイールのまま前傾52°まで持っていくのは不可能だったので、サイズ別にホイールサイズを変更することにしました。
700Cと26インチの2サイズでも似た設計は可能ですが、身長の比率に合わせてホイールサイズを3段階に分けるところまでこだわりました。

 

下のモデリング図面は身長155cmの人が700CのXSサイズ(左)、24インチ(右)に乗った状態です。
24インチのライディングポジション比較

しっかりと前傾52°の乗車姿勢が取れる設計になっています。

このniauジオメトリーに変更したことで、30分以上乗ってもお尻の痛みが少なくて、出力も出しやすいポジションが、どんな身長の人でも取れるのがNEWシェファードのポイントです。

ライディングポジションに合わせたパーツ

フレームの設計を変更したので、周辺パーツも見直しています。

まずグリップは体重をかけやすいエルゴノミックタイプに変更して、面で手を支えるようにしました。

シェファードのエルゴノミックグリップ

さらにハンドルが手前に曲がる角度(バックスイープ角)を深めの15°にすることで、リラックスした姿勢で前傾が取れます。

体重が前方にかかり、ややハンドリングが不安定になるので、クロスバイクとしては太めの38C幅のタイヤを装着。

サドルも前傾が深い姿勢に対応するために、シェファードシティーよりも若干細身にしています。見た目はスポーティーですが、ラバー+多孔質スポンジフォーム+ゲルの3層構造でかなりお尻に優しいハイテクサドルです。

 

ライドフィーリング

 

実は24インチのクロスバイクのジオメトリーが完成するまで何度もフレームを作り直しました。
700Cや26インチのスポーツバイクはジオメトリーにセオリーがあるので、想定通りのライドフィールのクロスバイクが1回目の時点で出来上がって来ました。
24インチの方はお手本になるバイクが無く、ビルダーの西原が出来るだけ700Cの乗車感覚に近い物を作りましたが、実際に乗ってみると700Cと24インチでかなり違いが出てしまいました。

 シェファード 試乗

社内の身長150cm台の人でテストライドをして、設計を煮詰めていってようやく完成しました。

完成したプロダクトは、どのサイズも今までに無い走行性能のバイクに仕上がりました。
24インチも26インチも700Cも、踏めばかなり走ってくれます。普段レースで走っている同僚もその走行性能に驚いていました。

700Cサイズのクロスバイクはタイヤチョイスがたくさんあって、段差を乗り越える走破性が高いというメリットもありますが、今回のシェファードは理想のライディングポジションと取り回しの良さを重視した結果の設計です。
是非新しいコンセプトのクロスバイクを体験して頂ければと思います。

開発責任者お尻が痛くなりにくい 設計コンセプトを語る

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